不思議な夢を見た。 そこは大広間で、たくさんの人が集まってた。 何をするでもなくそこにいた。自分もそこに。 何人かの仲間と何事かを話してたけど、その人達の事は 覚えていない。そのうちに事件は起こる。 女豹のようなその女は、その部屋に爆弾を仕掛けたと言う。 時間内にその謎を解かなければ全員死ぬと。 泣き崩れる者、怒り狂う者。それから脱走を試みる者。 自分はといえば必死でその謎解きに取り掛かっていた。 しかし謎は解けず時間は迫り来るだけ。一か八かで唯一 その女豹とコンタクトの取れる仲間に言ってみる。 謎が解けたと言えと。その子は嘘はいけない。バレたら 殺されるからと泣きながら嫌がるが、私はさらに言い募る。 このまま待っても殺されるしバレても殺されるならやるしかない。 どうせ死ぬなら黙ってなんか死なない。あがきまくって女豹も 道連れだと。さすがに夢。ずいぶんと偉そうだ。出来もしない事を 言っている。とにかくそうこうしてる間にその時は来た。 誰もがあきらめたその瞬間。大画面に自分達の姿が映し出される。 死の恐怖に直面した時の自分達の醜態をみながら、 皆はいわゆるドッキリってやつだと安心をする。騙されただけだと。 案の定爆弾は爆発せず重い扉の開く音がする。 一斉に振り向いた瞬間、一人の男が鈍い音と共に血を流して 床に倒れ動かなくなる。その男は自分同様逃げる事を第一に 考えた男だった。勇敢にも皆を助けて逃げ出す方法を考えた男だった。 なるほどそういう事か。これは全員の死ではなく、生意気にも 生きようと女豹にチャレンジした人間の死を意味したゲームだったんだ。 女豹は真っ直ぐ私に向かって来て、あろうことか焼きゴテなんぞ 顔面に振り落として来た。顔が膨れ上がりただれて行くのが分かる。 燃えるように熱くちょう痛い。あー、もう一生女優は無理ね…。 ぼんやり思って顔を上げると、今度はナタを振りかぶっていた。 あ、女優が駄目ってかここで死ぬんだ私…そう思いながら目が覚めた。 別にうなされてもいないし夢見悪ぃって感じでもない。 ただ私らしいなと思う夢だった。顔を焼かれた時に思ったのが 女優として舞台に上がれないという心配だけというのが 自分でも笑える。そりゃそうだ。他に何もない、この身。 もしただ生きていくだけなら、焼かれた顔でも平気なんだ。 だって所詮心が顔に見え隠れしてしまうから。 醜い心をもってしまった時は焼かれた顔よりなお酷い。 変な夢だったけど、自分自身に教えられた気がする。 ちょっと面白かったし、今度本にしてみようか? そんな事をチラっと思った朝だった。
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