快賊日記「funnyface」

2002年07月23日(火) オールウェイズ

この家にはハイビスカスが咲いている。
もう6年くらい咲き続けてる。
その間3回鉢を大きくして、同じ数だけくらいの肥料を与えてる。
たったそれだけ。冬になると花はもちろん枯れ果て、
葉っぱだって茶色くなってしぼんで、最後には枝だけになる。
寒い冬はどう扱っていいか未だに分からなくて、
水を与えるタイミングも難しいし、日光を遮るように
カーテンを引いてしまう事もしばしば。
それでも春が来ると、緑が顔を出し始め、5月には若葉が
より一層美しくなる。そして夏の初めには蕾をたくさん付け、
待ちきれないと言わんばかりの大輪の赤を、この目に写して
くれる。驚く程の生命力。これは世話の問題云々ではない。
花が咲きたがっているんだろう。このために生まれて来たのよと
誇らしげに咲いてる赤は、それは美しくて見ほれるばかり。
花に前も後ろもないだろうに、この目にはまるで
凛とした背中を見せつけられてるように写ってしまう。
例えばしとやかに降り続ける梅雨の雨でも、例えば12年に一度
この馬年に多く来る台風の暴雨に打たれても…それは何て逞しく
美しい。太陽が邪魔なくらい、それは美しい。
だから毎日水をやる。日光がすべての葉に当たるように
ぐるぐる鉢を回したりもする。隣には同じようにここ4年の間に
成長しまくってる観葉植物がいる。
やっぱりその鉢も回す。水をたくさんあげる。
いつか自分の背を追い抜こうと目論んでるのは知ってる。
きっと来年にはもっと大きくなってるそれらは、
まるで生きる物の道しるべのよう。
生きてるものは、常に成長し続けて行けるのだと、教えてくれる。
根があれば、いつだって生まれ変われるのだと、教えてくれる。
その姿に果てを、望む。僕達はまだまだその果てへと足を踏み込める。


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