�蠧�記
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久しぶりにあの晩のようにただ見ているだけの眼が現れた。 私を理解し、私に期待しない眼。 何年ぶりだろう。12,3年ぶりか。
とてもなつかしい。
そんなものは幻想なのだ。駄目なものは駄目なのだ。
くだらない人生。つまらない女。舌切り雀の欲深おばあさんのほうがまだ愛らしいところがある。
これからもっと砂を噛むのか。
何のために生まれてきたのか。
役所が開いたら離婚届をもらってこよう。 今なら旦那さんも愛想が尽きているから出す気になるだろう。私は一人で生きるべきなのだ。それができないなら野垂れ死ねばいい。 家族も恋人もいらない。
あっはっは。紙切れなんて関係ないじゃない。 どこまでおばかさんなんだろうね。
わかってくれるひとのところにいきたいのは自然だろう。 この世でそれを求めるのは無理だよ。私には大切なものが欠けている。 私はそんなに弱くない。私が一人で死ねないなんてそんなの思い込みだ。
どうしてこんなにつまらないことばかり考えるの?
せめておばあちゃんへのお年賀のお花の支払いをしてから。 ほら、今度出るときは身辺整理をしてからにしたいって言っていたじゃない。
TOEICのテストも受けたいって言っていたじゃない。
大学時代の友達もまた会いたいですって年賀状下さったじゃない。 電車の中で彼女がアイスクリームは何がお好き?と尋ねたことを思い出す。思いがけない言葉だったので、答えられなかった。今だったら答えられる?ハーゲンダッツのバニラが好きよ、とかって。私は鳩派なのよ。私だってそうだ。
苦しいのは私だけじゃない。父の後添えさんと仲良くしようとしてうまくいかない ことなんてよくある話だ。珍しいことじゃない。呆れた話だけど、あわないものは あわないのだ。だんなさんとだって水と油だ。パパさんに理解を求めるほうが間違っているというわけだ。味方なんていらないよ。気を使うのはもうお互いうんざり だものね。
多分2年以上たっていれば、保険は下りるのだ。半分は娘にだが、葬式代くらい出るはずだ。優しくて人柄のいいパパさんは引く手あまた。
アンドロメダ大星雲の中のひとつの星。そこに冒険の旅に出かける。 雪の女王っていう話があったっけ。女の子は男の子の心を溶かして眼の中のかけらが流れ落ちると男の子は目がさめたようになるけれど、雪の女王の心までは溶かせない。
新年早々くだらなすぎる。
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