衛澤のどーでもよさげ。
2008年12月08日(月) あゝ無常。

自分の身体のにおいが最近とみにおっさんくさいと感じるようになった衛澤です。

「どうしようもない御話」が大好きです。
自分ではどうにもできないできごとが次々と身に降りかかって、それでも何とか乗り越えようとがんばってどうにか乗り越えたと思ったら、乗り越えたことによって事態はがんばる前より更にひどくどうにもしようのないものになってしまった、という感じの物語です。場合によっては「残酷」だとか「救いがない」とも呼ばれる物語です。

こういう御話が好きなので、或るWebサイトで「重い」だとか「アンハッピーエンド」だとか「容赦ない展開」などなどの書評が付いていた或る漫画本を見つけた私は期待にときめきながら購入しました。手許に来た途端に早速どきどきしながら読んでみましたところ、私の初感は「あー……ひどいけどそんなにひどくない感じかなー」でした。
読んだ人間を暫く立ち直れないくらいに突き落としてくれる物語を期待している私は、多少ひどい程度の御話ではあまり気持ちが動かないのでした。

私がこれまで読んだ中で最もどうしようもなく救いがない御話を描いた人は三浦靖冬さんでした。「とわにみるゆめ。」(ワニマガジン社)や「おつきさまのかえりみち」(同社)に収録されている「とおくしづかなうみのいろ」なんて、読後に「あああ……!」とか「もう……もうっ……!」とか、そういう具体的でない感嘆詞しか口から出てこないくらい怒濤のやるせなさです。
三浦靖冬さんの御著書は成人男性向きの性描写が含まれた作品ばかりが収録されていますので万人にお勧めできるものではありませんが、「どうしようもない御話」好きの方にはぜひお読み頂きたいです。
三浦作品以上にどうしようもなく救いがなくてやるせない御話を御存知でしたらどんどん教えてください。突き落としてー深く沈めてー。


エンピツユニオン


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