衛澤のどーでもよさげ。
2008年01月19日(土) 審判の日。

ぼくが住んでいるマンションにはだいたい正午頃に郵便配達さんが来ます。ドアポストが口を開けているのでそこに郵便物を入れていってくれます。ガサゴトン、と音がするので同居猫がいつも見に行きます。

でもドアポストがやや小さいので大きな郵便物が届いたときなどはガサゴトンと音がする前に呼び鈴が鳴ります。手渡ししてくれるのです。今日、呼び鈴が鳴ったのもそのためかと思っていました。書留やら大きな荷物やらが届く予定がなかったからです。

呼び鈴に呼び出されてドアを開けてみると、「本人確認郵便」が待っていました。家庭裁判所からです。一昨日、裁判所に呼び出されて行ってきたばかりです。昨年末に行った申し立てについての呼び出しで、そのときは調査官のお姉さんと四〇分ほど個人史について話しただけでした。昨年末に提出した医師の診断書の内容を補足するかたちで少し喋ったのです。

もう暫くしたら審尋のために裁判所に呼び出されるのかなあ、と思っていました。そして今日、裁判所からの封書が届きました。
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平成19年(家)第1441号 性別の取扱いの変更申立事件
審    判
主    文
申立人の性別の取扱いを女から男に変更する。
理    由

1 申立の要旨
  主文同旨
2 当裁判所の判断
本件記録によれば、申立人は性同一性障害者であり、その旨の2名以上の医師による一致した診断を受けていることのほか、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条所定の用件に該当することが認められる。
 よって、本件申立は相当であるので、主文の通り審判する。
  平成20年1月18日
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というB5判用紙一枚ものが本人確認郵便の中身。
ともかくも、これでぼくが当然と思っているぼくの性別と法律上のぼくの性別とが一致しました。

……て、ぼく、裁判官に一度もお会いしていないんだけど、いいのかなあ。
聞き及んでいた話によると、申し立て書類一式を裁判所に提出した後、調査官による聞き取り調査があって、その後に裁判官による審尋を受けて、審判が下るのはその後とのことでした。ぼくは審尋のためには裁判所には行っていないのです。
それを考えると、戸籍の訂正は以前よりは随分簡単になっているような。

とは言え、裁判所に申し立てるまでが大変なのでした。医師の診断書を貰うのに一番時間と手間と金がかかるのです。最低一回は身体を切らなければいけませんしね。
しかし、戸籍と言っても紙っきれです。紙きれ一枚の上の漢字一ト文字が変わるだけのことなので、実感もほとんどないし、戸籍訂正の前のぼくとたったいまのぼくに変わるところがある訳でもありません。

性別適合手術や戸籍訂正に劇的なものを期待している人には、こういう「たいしたことありません」ということを伝えておかないといけないんじゃないかな、と前から思いつつまた改めて思ったのでした。
身体や戸籍上の性別が変わったら、人間の本質が変わるかというとそうでもない訳で。


【今日の呼びかけ】
名古屋の人々、ぼくは小倉トーストって好きですよ!


エンピツユニオン


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