衛澤のどーでもよさげ。
2007年01月12日(金) 病院でする話は。

定期通院日。今年最初の通院日でもある。冬の朝は寒い。屋外に出てこそそれが実感されることを身体を通して知る。
年が明けてからというもの追ってくる仕事があって追われるままに仕事をしていた。入手した本も読む暇がない。先日書店で見つけて購入した「PLUTO」第四巻も未読のままだ。病院の待合室で読もうと持って行った。

定期通院日の手順は、心療科の病院に診察券を出しておいて、待ち時間を利用して近くにある別の病院にホルモン注射をして貰いに行く、というのがいつものパターン。注射の病院まで往復二〇分程度かかるので、心療科の混み具合がそれほどでもないときには、戻ってきたら直ぐに診察室に呼んで貰える。
今日も「PLUTO」を三分の一程度読んだところで読んで貰えた。

年末の診察から三週間経っているのでその間のことをしっかり話しておかねばならないのだが、とにかく薬のせいでひたすら眠かったことしか憶えていない。眠くて眠くて具合いが悪くなっている暇もなかった。
そう話したらかかりつけ医先生は薬を減らしてくれた。朝夕にトレドミン二錠ずつとメイラックスを一錠ずつ、夕にパキシルを一錠、半夏厚朴湯を一日三回一包ずつと眠前にハルシオンとロヒプノールを各一錠。ほぼ以前の通りに戻った。メイラックスが多いだけだ。メイラックスは急になくすと具合いが悪いので残してあるだけだろう。

薬の話は全体の三分の一程度で済んで、残りの診療時間はまたもや浦沢直樹談義になった。「PLUTO」の四巻が出ましたよ、と告げるとかかりつけ医先生の表情がぱあっと拓けた。
「PLUTO」は月二回刊の雑誌ビッグコミックオリジナルに連載されているのだが、隔号連載である。つまり月刊ペースでの連載なのだ。それを、ぼくもかかりつけ医先生もこれまで知らなくて、刊行ペースが遅いという話をしていたのだが、これで合点がいく。一年に一巻がいいところだろうと。
第四巻にはかかりつけ医先生が昨年末の診察時に話していた西原理恵子氏と浦沢氏との対談の模様が西原氏の漫画で再現されて掲載されているという話をすると先生はとてもよろこんだ。うれしい、というよりおかしい、というよろこび方だ。
そして「20世紀少年」が実写映画化されるという話に「どうなるんですかねえ」と二人で首を捻った。
これは余談になるが、かかりつけ医先生は年末年始の連休中に「のだめカンタービレ」全一六巻(以下続刊)を読破したそうだ。

ぼくは鬱病とパニック障碍とを持っていて、その具合いを診て貰うために二週間に一度、心療科を訪れるのだけど、症状があまりにひどいときでもなければ大抵こんな感じに漫画話になってしまう。かかりつけ医先生もぼくも漫画好きで浦沢直樹好きだから余計に大変だ。
ぼくは「PLUTO」の緻密さとダイナミックさを兼ね備えた御話の運び方も好きだが、「MONSTER」の残酷さもとても好きだ。御話そのものはやや冗長だが、それもみなあの残酷窮まりない結末のためだったのだと思えば納得できる。
精神的な残酷さ。人間の最も怖ろしい部分なのだと思う。怖ろしいと同時に魅力を感じる部分でもある。


【今日のほかにいませんか】
酒を飲むと頭の天辺が痒くなります。


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