2006年10月15日(日) ぼちゃ。
窓外はさわやかな秋晴れだったが、今日は一日中自宅で集中して原稿作業。枚数はあまり増えなかったが、少し前までは鬱症状のために散漫になりがちだった意識が持続して集中するようになってきた。いい兆候だ。
集中して書き進んでいくと、何故だか無性に南瓜が食べたくなった。書いているものに南瓜が出てきたり南瓜を連想させる話だったりする訳では一切ない。そのうち食べたくてどうしようもなくなってきたので買いものに出掛けた。
直ぐに食べたかったので出来合いのものをと思っていたが、煮付けたものは売られていなかった。しかしどうしようもなく食べたいもので諦めがつかない。生の南瓜二分の一個を買って帰る。
行きつけのスーパーマーケットと自宅を結ぶ途上には洋菓子店があり、その店先にはジャックランタンの風船人形が飾られている。そう言えばそろそろ万聖節だ。南瓜をまる一個買ってくり抜いてランタンにしてから煮付けてもおもしろかったか、と考えた。
さて南瓜だが、実はぼくは生の南瓜を調理するのは一七年ぶりだ。実家に住まわせて貰っていた頃に夕食の総菜として煮物を拵えたことがあるが、一ト口大に切り分けるのが固くて苦労した憶えがある。それ以降は「南瓜」=「固くて調理しづらいもの」という図式がぼくの頭には固定されていて南瓜を調理しようと思うことがなかった。
だが、案外簡単に南瓜は煮えた。味も巧くついた。一七年前と何が違うかといえば電子レンジを利用したことだ。一七年前にも電子レンジという家庭用調理器具は存在したが、当時は電子レンジは「冷えたものを温める」機械であって下拵えや調理に使う機械ではなかったのだ。
調理に取り掛かる前に買ってきた南瓜をそのまま(包装は外す)電子レンジで五分ほど加熱するとやわらかくなって、切り分けるのも皮を削ぐのも簡単なら煮る時間も短くて済む。煮る工程にも電子レンジを使っても構わないが今日は鍋で煮た。仕上げに水分を飛ばすために乾煎りしたかったからだ。
そうしてできた南瓜の煮物は夕食に食べた。旨かった。何故いま南瓜をこんなにまで食べたくなったのかは判らないままだが旨かったからいいんだ。
【今日の仕方ないでしょう】
冷たい冷や奴は苦手なんだ。