2006年05月21日(日) 求不得苦。
たとえば、ね。
Aという人がいたとしよう。そのAさんはお金に乏しい。だから、あなたに「金をくれ」と言った。でもあなたは「他人に分けてやれるほど沢山の金を持ってはいないんだ」と断る。或るいは「どうしてお前に金をくれなきゃならないんだ」と怒る。するとAさんは「何てけちくさい奴だ、多少他人に分けてやれる程度の金くらい持ってろよ」と怒り出した。
さて、あなたはAさんに対して「手前だって持ってないくせに偉そうに怒ってんじゃねえよ」と思うだろうか、「尤もなことを言っている」と思うだろうか。
では、置き換えてみよう。
前の段落の、Aさんがくれと言った「お金」を、「やさしさ」や「デリカシー」や「常識」に置き換えてみたら……どうだろう?
自分が持っていないものを他人に求めて、ないことを怒る人って割りと沢山いるんだよ。求めなければないことに腹が立つこともないのにね。
ほしいのに得られないという理不尽な腹立たしさには名前が付いていて、西暦を数えはじめる頃にはその名前は既に存在した。二千年以上も前に付いた名前は、だけども知らない人の方が多いんだけどね。でも、紀元前の人も現代の人と同じことで苦しんでいたのはほんとうのことらしい。
【今日のやってみましょう】
まる一日、一貫して語尾は「ニャ」。やってみるニャ。