2005年11月30日(水) 何か変だよそのニュース。
新聞を取るだけの余裕が、金銭にも空間にも時間にもないのでWeb版新聞の御世話になっています。主要四紙Web版とニュースサイト三箇所を一日二回巡回して主だったニュースは知ることができるようにしています。
TVのニュースは午後六時台のものだけでも見るように気を付けてはいますが、複数の局の番組を一度に見ることができないので情報が偏りがちです。その点を考えると各紙Web版の存在は有難いものです。翻ってみれば、Web版に大うそこかれるとひとたまりもないってことです。
次の文はインターネット巡回中に某大手新聞Web版で見つけた記事からの抜粋(固有名詞は記号に置換)です。或るTVドラマの粗筋だそうです。
「父親を知らず、最愛の母と2人で暮らしてきた元レディース(暴走族の女性集団)総長のA。
母の死をきっかけに「自分を捨てた父親から金をぶん取ってやろう」と、父親を探す。
出会った“おやじ”が、B(男性俳優)で、下町の銭湯を経営。金の強奪をあきらめたAは、
銭湯の売却騒動に巻き込まれていく。」
このドラマの筋書きについて云々する気は毛頭ありません。
新聞に書かれる文章というのは、国営放送のアナウンサーの発音がすべての日本語の発音の見本となるのと同様に、すべての日本語記述の見本となるべきものだったのですよ。
字数の制限とか、時間の制限とか、あるのかもしれませんが。
デスクや編集長のチェック、通っちゃったんだなあ。いいのかなあ。明らかに文の組立が間違っちゃってますが。……泣いていいですか。
引き続きまして。
TVのニュースを見ていますと、「HAL」という名のパワードスーツのようなものが出てきました。新しいロボットを、何処かの会社が開発したのかと思ってようく見てみると、顔が人間ですよ。ASIMOくんやPINOくんの兄弟みたいなものがと思ったら、少し毛色が違うみたいです。
どうやら、人間の身体に装着すると腕や脚の力の補助をしてくれる機械のようです。発表会らしき舞台の上でパワードスーツを着ている男性が、手渡された一〇キログラムの米袋を三ツ、両手で受け取って、笑顔で言っていました。
「三〇キロも、この通りです」
すると司会のお姉さんが「何と三〇キロを軽々持ち上げています!」なんて吃驚してみせていて……。
三〇キログラムくらいなら、大抵の男性は持ち上げるだろ?
米袋三ツくらいだったら生身のぼくでも抱えて歩きます。開発途中だからあまり高い負荷は掛けられませんてことなのでしょうか。だったら並みの人間では到底持ち上がらないような重さのものが上がる性能のものが仕上がってから発表して、心底吃驚させてほしかったというのは贅沢ですか。
ニュースでは詳しく述べられていませんでしたが、「HAL」という名は何かの頭文字を取った省略語なのでしょうか。何だか「デイジーデイジー」を歌いながらシステムダウンしてしまいそうです。ロボットじゃなくてパワードスーツだから自己矛盾を感じることはないのでしょうが。電気羊の夢も見ないだろうなあ。
【今日の久し振りに煮る】
豚汁鍋一杯。ひとり占めとは強がりの分け合う人のあらぬ年末。