衛澤のどーでもよさげ。
2005年06月12日(日) まとめずに書きます。

内容も体裁もまとまった、ひとつの仕上がりのかたちを持ったものを不特定多数の読み手に提供するのがもの書きの当然の仕事なのですが、今日はその範から外れて、まとまりきらない内容をまとまらないままに書いてみます。
これは試みのひとつです。

1)
「酒が飲める」ということに、とても強い憧れを感じることが時折あります。味が云々よりもぼくの身体はそもそもアルコールというものをまったく受け付けなくて、消毒用のアルコール綿で皮膚を拭うだけで真っ赤になってしまうのです。だから、「酒を飲む」なんてぼくにとってはとんでもないことなのです。
「酒が飲める」ことへの憧れとともに、「自分が判らなくなるくらいに酔っ払う」ことを狂おしいまでに欲することも、年に何回かの少ない割合ではありますが、あります。

酒を飲んで「旨い」と感じる感覚とは、いったいどんなものなのだろう。飲みものによって意識や記憶を奪われるとはいったいどんなことなのだろう。それを知りたいという気持ちは常々持っています。
それよりも、何がどうなってもいい―――何もかもがどうにかなってしまえばいい、と強く強く、衝動的と言ってよいほどの勢いで思うこともあり、それが叶わないときの苦しさとは、それこそ「狂おしい」と言わざるを得ないくらいです。だからそういうときに、「酔っ払って、その後どうなったのか判らない」などという話を聞くととてもうらやましいのです。

2)
ぼくが書くもののうち、実話をもとにした内容のもの(当日記など)を読んで、その実話の現場にいた人などがごくたまに「これ、知らない人が読んだらどう思うかなあ」と事実上の駄目出しをしてくることが、時折あります。ぼくはそのときどきで駄目出しを喰らった内容を手直ししたりしなかったりします。
「知らない人が読んだらどう思うかなあ」ということは換言すれば「知らない人が読んだら事実とは違うことを思い描いて、実話の現場にいた自分としてはそれは困るなあ」ということなのだと、ぼくは解釈しています。そして、そういうことを言う人はもの書きが書くものの本質を理解しないで駄目出しをしているのだとも思っています。

何故なら、もの書きは基本的に「知らない人」に読ませるために文章を書くのですから。

知っている人だけに向けて書くのであれば、知っている人だけに見せればいいのであって、不特定多数の人が読む可能性がある場所(たとえばWeb上だとか、たとえば雑誌上だとか)でつまびらかにする必要などないのです。そして「どう思うかなあ」の部分は書き手の企ての中に既にあるので実話の現場に居合わせた人に心配して貰うことではないのです。
書き手が「思わせたい」ことを読み手が思うように書き手は書いているのだし、実話の現場に居合わせた人がどう思ってほしかろうが、書き手の思惑の中で読み手は読み手ごとに違った解釈をするので「どう思うかなあ」などと困るだけそれは余分な心労と言えます。

「衛澤蒼」というもの書きはこのように考えて当記事のみならず書くものすべてに臨んでいますが、もの書きとしてこれは間違っているでしょうか。ほかのもの書きさんの御意見を伺いたい次第です。

3)
心身が弱ってきていると感じるときの多くは、摂取栄養のバランスを欠いているせいなのだと、ここ五年ほどの間に経験したことから知りました。気持ちも身体も怠いという状態が数日続くようならば充分な睡眠と栄養を摂れるように(まだ自分でできる状態なら)するようにしています。
そういう不調の中にもいろいろな種類の不調があって、「身体は怠いのだけれど何処かで動きたがっていて、だけど身体を動かすには気持ちが沈みすぎてできない」という不調もあります。こういうときは、ぼくの場合は獣肉を喰うと回復することが多いです。
他の生命を自分の中に取り込むと、身体の深奥に潜む生命力が「くたばっている場合じゃないぞ」と奮い立ってくるような、野性が目覚めてくるような気がするのです。

それで表裏ひっくり返したように一遍に回復してしまう訳ではありませんが、徐々に徐々に活力が滲み出るようにして動けるようになってきます。そして、そうなったときに先ず何をするかというと、ぼくはやっぱり「書く」ということをしてしまうのです。ただ、そういうときに書いたものというのは勢い先行で、体裁よくまとめるということは二の次になっていたりします。
それは、今日の当記事をお読みになればよく判って頂けるかと思います。当記事は丁度この状態のときに書きたい衝動で以て書いたものだからです。


【今日のカレー】
三月末くらいに「もう煮物はできないな」などと言っていましたがつくってしまいました大鍋一杯のカレー。夏野菜と茸と牛すじ。三分の二くらいは冷凍保存です。


エンピツユニオン


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