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剃刀が消えた。それも2つも。何故? アタシの忘れっぽい性格のせいか、母が隠してしまったのか。 とにかく狂ったように探す。 ない。ない。ない。
仕方なくカッターを手にとる。切れ味が悪く少々力がいる。 苦しい。何故ないの。 明日買いにいかなければ。
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部屋。カーテンを閉めきって空気も入れ替えられない この澱んだ空間にいると時間が止まっているかのように感じる。 朝なのか夜なのか昼なのか。
ずっと同じ曲が流れ
扇風機が止まることなく回り続け
変わることのない景色
このまま時が止まることを 期待しては駄目だろうか。
時折 切り裂くこの腕と 鳴り響く電子音
いつかこの手もこの息も 止まる日がくるのだろうか。
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吹き荒れる風に涙することも 幸せな君を只願うことも 泣き喚く海に立ち止まることも 触れられない君を只想うことも 同じ空は明日を始めてしまう 例えあたしが息を止めても
『椎名林檎/同じ夜』
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