::KEiMOの世界::



∪・ω・∪ チェルシーの場合  2002年02月13日(水)
ラッキーをもらってきて2週間くらいたった頃、家のすぐ側にあるパチンコメトロ(現在のパサージュ)に13年上の姉を捜しに行った。当時、我が家の大人は全員ここにはまっていて、東紅苑営業時間中にも交代で通っていた。どうやらかなりもうかっていたらしい。用事があるときなんかに席をとっておくため戻ってくるまで30分とか座らされたものだ。パチンコ玉ちょっともらってジュース買いに行くのが楽しみで親が打ってる隣にただ黙って座ってることもちょこちょこ。まぁ、そんなカンジでたぶんヒマだったからお姉ちゃんのとこでも・・・ってノリだったとおもう。

だいたいいつも座る台ってのは決まってるからすぐに見つかった。で、隣の席に座ろうとしてビックリ!イスの上に置いてあったお姉ちゃんの編み込みバックの中に黒々としたウェービーなカツラが入っていたから。「何に使うんだ!」と思いながらジーッと見ていたらそのカツラがいきなり動いた。それがチェルシー。「ラッキーを飼うことを許したのに便乗してもらってきた」と、当時の彼女は言った。犬と言えば当時流行りの柴犬・コリー・マルチーズ・ポメラニアン・友達の飼っていたシルバーのヨークシャテリアくらいしか知らなかった私。黒毛だからヨークシャと何かの雑種なんだと思いこみ、そのもらってきた説を信じていた。本当は、「アレキサンダー・ナンチャラ」みたいな名前の付いてる立派な親と血統書付きのお犬様だった。1△万円すると言えば、順子が大激怒するに決まってるから嘘ついてたらしい。ヨークシャであることはすぐにわかったけど、この事はつい最近知らされた。

チェルシーは、ヨークシャのくせに4.5kgもあった。
まるでマルチーズのような大きさ。
餌食べてるときにちょっかい出すと飼い主だろうがお構いなしで
カルルルルっと威嚇&かみつかれる。
♂なのに睾○が1コしかなくて性欲まるでなし。
何かと腰を振るラッキーとはエライ違いだ。

月に一度はベンジーというペットショップでグルーミング。
かわいらしいリボンなんてつけられちゃってね。
毛は短めにカットするのが後半の定番(HP参照)
それでもすぐに伸びる毛。とても細くてすぐに絡まりちょっと手入れをサボると天然レゲエ犬になってしまう。で、ある晩自分で切ってみようとハサミを持った。それが、あんなコトになるなんて・・・・・

チェルシーは顔の周りと足の先をブラッシングされるのが大嫌い。
背中はすんなり切らせてくれたけど、足先にたまった毛を切るのに苦戦していた。それでも、だましだましチョキチョキやっていると阻止しようと口を出してくる。「ベンジーの人はよくこんなのをちゃんと切れるな〜、麻酔でもかけてるのか?」と変な感心しながらチョキチョキ・・・バチン!ギャンっ!「なんだ?今の音」やたらとペロペロなめるチェルシー。・・・血だ!どこ?足に異常なし。ペロペロ足をなめるチェルシー。よぉーく見てみると・・・舌が蛇!そう、私はベロを切ってしまったのだった。舌切ったら死んじゃうじゃん!と焦って病院へ電話。でも先生は、「明日連れておいで」とのんきだった。
翌日、病院送りになったチェルシー。ごめんよ、ごめんよ。

命に別状無く次の日をむかえ、朝一番に病院へ。
「やっちゃったね」「やっちゃいました」
「どれどれ?・・・あぁ。このままでも大丈夫だよ。形はこのままになっちゃうけどね。どうする?縫う?」「縫ってやって下さぁい」
麻酔して、あっという間に終了。
「でもね、虫歯がひどいね。こっちの方が痛いと思うよ」
デブチンチェルシーは心臓弁膜症でもあって、痩せさせるため「サイエンス・ダイエット」とかいう堅くて大きいドックフードを与えられていた。それをリスみたくほっぺに1個ずつ蓄えていたのは知っていたけど、これを取り除こうとすると、タダでさえ「顔さわられるの嫌い」&「餌取られる」と勘違いして思いっきりかみつかれるからどうしようもなかった。これが虫歯の原因。
「良くこの歯で食べてたなぁ。抜いてあげたほうがいいね♪」と麻酔がまだ効いているのをいいことに、ペンチでグリグリ抜き始めた。しかも、数本を残してほとんどの歯を取ってしまった。可哀想なチェルシー、その後も堅いダイエットフードをほとんど無い歯と歯茎で食べ続けました。

お姉ちゃんが結婚してアトランタに行ってからチェルシーの世話をしていたおばあちゃんが入院した。会社とバイトを掛け持っていた私。家には寝に帰るようなものだった。もともとあまりチェルシーが苦手な順子がおばあちゃんの部屋に入ることはまずない。無関心な父&弟。夜遊びはげしい兄。チェルシーは孤独だった。夜、隣の部屋で寝ているとガリガリッと壁を削る音がする。犬は寂しいとこうするらしい。後で知った。

ラッキーが死んでから1年が経とうとしていた。
チェルシーの心臓弁膜症は年をとるにつれ酷くなっていった。
散歩させてても咳が酷い。喜んで興奮してもダメ。
いつものようにおばあちゃんのいないチェルシーの部屋でテレビを見ていると、ヨレヨレっとチェルシーが寄ってきてそのまま倒れた。???様子を見る。動かない。息もしてない。「チェルシー!」思わず叫んでしまった、次の瞬間・・・ぷぅ〜っ♪おならと共に息を吹き返した。チェルシーらしい。笑いたいとこだけど、まだ弱っているチェルシー。すぐに電話して救急で看てくれる病院へ運んだ。「あぁ、心臓がほとんど動いていないね、息するのも苦しいだろう」と、とりあえず酸素室に入れられた。

次の日から私は心を入れ替え看病した。
散歩もいつもより長く行くようにした。
昼間は仕方ないにしろ、寂しくないよう夜は私の部屋に連れてきた。
薬を飲ませるため、太ろうが何しようが好きな物に混ぜ与えた。
大好きな牛乳もダイエットのためやめさせてたけど飲ませた。
なるべく一緒にいる時間を持った。
そうして、薬のおかげもあって倒れる前と同じくらい元気になったチェルシー。
安心して、心臓に負担がかかると思い控えていたベンジーに連れていってあげた。
2日後、朝の散歩での様子がおかしい。ウン○だすのにも体力が無いようで、やけに時間がかかる。通勤電車の時間ぎりぎりに家を出ることになった。「じゃぁ、行ってくるね」となでると、なんか不安気な顔でこっちをじっと見ている。ドナドナが頭の中で流れた。けど、変なトコで真面目な私。犬の様子が変だからと会社を休む気にはなれない。一緒にいたい気持ちを振り切って出社した。
それでも仕事中気になってしょうがなく、家に電話した。
「お母さん?チェルシーの様子が変だったから見てきてくれない?」
でも、高齢の母順子は階段を登るのが嫌だと却下。
ピンポンダッシュで帰ってきて、すぐにおばあちゃんの部屋を開けた。
嫌な予感は当たっていた。チェルシーはドアのところで横たわっていた。
すっかり固くなって。。。たぶん、私が出てからすぐだったんじゃないかな。

今でもよく、このドアを開ける時の夢を見る。
しかも「やばい!1週間チェルシーの世話するの忘れてた!」
水も餌も与えてないから当然死んでる・・・とおそるおそる開けるとヨレヨレのチェルシーが出てくるという、なんとも酷いストーリー。それでも生きていて良かった〜とホッとするんだけど、実際にはもういないんだね。
ラッキーを埋めてから、飼い犬を庭に埋めると成仏出来ないって話を聞いたから、彼は今、町田の真心動物霊園で眠りについてます。

こんなだから、犬は好きだけど今は飼えない。
だって、昼間独りぼっちにさせちゃうし、
人間の都合でのびのび出来ないなんて可哀想だもんね。








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