ビッグサイトの東館方向からでて有明駅方面に歩くと、途中に癌研有明病院という建物があります。この病院のシンボルが蟹の図柄なんですが、初めて見たときから、ああ、英語でじゃ蟹も癌もおなじCancerだもんなと漠然と納得したものです。
んで最近阿川弘之のエッセイで読んだんですが、がんってのはあれですね、ザリガニが本ネタなんですってね。なんでも医学の祖ヒポクラテスが乳がんの女性を診断したときに、あまりにもひどく醜くはれ上がっていたんで、
「なんて酷いんだ、まるでザリガニのようだ・・・。」
といったのが最初でそこから、ガンにザリガニ(カニ)と同じ名前がついて、当時のギリシャ語からラテン語、さらに英語やドイツ語にかわってもガンは蟹とおなじ名詞がつかわれているんですね。
がんっていうと比較的新しい時代の病気というイメージがありましたが、ヒポクラテスの時代から存在はしていたんですな。さらに言えば、人類史上最初に発見されたがんが乳がんだったというのもなんともいえません。なんだかんだで克服できてませんね。これ。
と、前おきが長くなりすぎましたが、実は今日この人のドキュメンタリーを偶然目にしまして。ええ、末期がんの告知をうけながら歌い続け先日なくなったジャズヴォーカリストの石野見幸さんのことなんですが。
正直にいうとこれってどうなのと思いました。これって一種のスナッフフィルムなんじゃないかなあと。いやさ、そりゃあ本人も取材を快諾してるようだし、取材してる人間が殺してるわけでもないんだろうけど。とはいえ、がんが一人の人間を殺していく過程をじっくりとドキュメンタリータッチにしてるわけだから、ある意味スナッフムービーといえんこともないかと。
つーか、そもそもこのドキュメンタリーって石野さんが死ぬことを前提にして取材とか始めてるんだよな。死がほぼ決定している人間に取材を申し込んで、死ぬまでの様子を映像の材料にして、本人が死ぬことによって万歳完成ってことであとは放映してお涙ちょうだいの高視聴率って・・・。すごいですね。NHKも民放も。悪魔の生まれ変わりみたいな人間じゃなきゃ作れんぞ普通、こんなドキュメンタリー。
まあ、死んだご本人も放映されることを喜んでいるようなきがするので、問題ないとは思いますが。ただ、このドキュメンタリー作った人には、せめて自分があこぎなことをしているという多少の自覚はしてほしいなあと。うん。やっぱ、つらいよ、これ。
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