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1975年12月15日(月) a

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人類の母国「神国日本」

神保町で海軍大佐犬塚惟重の《人類の母国「神国日本」》昭和十八年刊というパンフレットを買い求めた。犬塚大佐は戦前、上海の特務機関長でユダヤ研究の分野で有名な人物であるが、逆にこの手の国体明徴の志向が有ったとは、私は最近まで知らなかった。

《人類の母国「神国日本」》の内容は、世界の古代文化の源流は日本にあるという世界観で、インカ・マヤ文化を始めアトランティス・ムー・レムリア文明・聖書ユダヤと日本の関係・民族移動説・地質学・考古学から見た日本原人(明石原人)飛騨高山の巨石文化・ボリビアの神代文字等の存在を根拠として《世界の古代文化の源流は日本にある》としている。これらの仮説を大きく裏付ける根拠として古文献(竹内文献の事・当時は天津教裁判中で名称を使う事が出来なかった)や契丹古伝の存在に大きく依存しているのである。まともに考えれば承知するにはかなり困難な珍説歴史を、戦前の有名な軍人達が信奉していたという事実には、いささか困惑するものである。

《人類の母国「神国日本」》は戦前一部の皇道派国体論者から支持された所説を纏めたものであるが、この本の内容(世界観)は、後の真光の教義と著しい類似を示している。 岡田光玉、本名良一が戦前、この手の国体論者のグループに属していた今のところ記録はない。というより岡田光玉の所説を読む限り、本から得た着想である事は明白である。

《人類の母国「神国日本」》の主張は、戦後は一般から顧みられるような事は無くなっていったが戦前学説?とされて公表されていたものが、戦後になって宗教の教義として登場したことには、真光という存在は、遅咲きのあだ花のような存在であったといえるだろう。


>...アトランティス大陸とムー大陸はかつて、水爆をも用いた大規模で悲惨な戦争をしました。さらに、金星やその他の惑星の霊たちとこの世の肉身をもった人類との間の戦争が起こりました。こうして、その戦いに敗北した霊の系統の者たちは、霊的に非常に強い恨みを現在の人類に対して持つようになりました。本当のことを言えば、現在の人間に憑依している霊の多数は、そのような霊たちなのです。

>神の力を以ってしても、憑依霊が人々の身体から長い間離れないこともあります。その理由を言いますと、ある程度までは、現実の人間の歴史の中で勝ったり負けたりしてきた霊の系統間の争いが、まさに今この現在まで続いているからなのです。現在、強い憎しみと恨みを持った霊たちが、現在の人間が幸せな世界を建設するのを邪魔するために、一致団結しています。言い換えれば、そういう霊たちは組織的に行動を起こしているのです。

>さらに、そのような霊たちは、また他の惑星からの霊たちまでもが、今日の人類の中に紛れ込み、人類の中に転生してきています。例えば、ムー大陸によって破壊されたアトランティス文明の人々は、今日の人間に霊として憑依するだけでなく、実際に、この世界に人間として転生してきているのです。さらに加えて、憎しみを持った霊はそのような人間たちと一緒になって、憎しみに満ち溢れた恐ろしい世界を作り上げようとさえしているのです。これが、現在起こっていることなのです...

上記の説(岡田光玉氏によるアトランティス霊障説 (5.真光、ムー大陸、そして天皇崇拝 参照))は、アメリカで1950年代に流行ったシェーバーミステリーが元でしょう。
SFマニアなら大抵知っている事では・・・

この手の翻訳本も昭和三十年代に、Rディクホフの「アガルタ」とか密教科学社なんていう処から出版されている。 持っていたけど、古本屋に売っちゃった。(高く売れた!)
「アガルタ」の口絵は、仏教徒と称するRディクホフの怪しい写真が載っていた。 この手の本を読んだんだろう岡田教祖は、どう見てもペテン師に思ったけど、気付かなかったのか?

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前に岡田光玉のUFO(宇宙)の話はアメリカのシェーバーミステリーの影響だろうと指摘しましたが、この番見ている人達は知らないようですなあ。 
他の人がNASAが如何のと、一生懸命反論しているのが可笑しかった。

今の世代の人は岡田光玉が影響を受けた戦前の国体主義者の把握が出来ていないと思います。
馬場さんが以前に批判いていたエタとユダが通音という教説は、オリジナルは確か小谷部全一郎か石川三四郎の説だったと思う。(違ったとしても同時代の誰かの説で、本で読んだ事がある)

この分野は余り参考文献が無いんだけど、一つ挙げると「偽史冒険世界」長山靖生 筑摩書房があります。 (トンデモ本解説書の体裁ですが)

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