2007年10月04日(木) |
オイディプスかキング・アーサーか |
参議院本会議が行われている。
自民党議員の質問。 「極めて厳しい議会運営となり」、という科白に、今風に言えば、 「どんだけ楽してきたんじゃ!」という気持ちをラジオに返す。 強行採決という麻薬に対する中毒症状である。
方や福田総理は、「二院制の本来のあり方で議会が進行できると思っている」と真っ当至極な答弁をしている。
こうした発言に象徴されるこの人のプライドの高さとスノッブな感じが、私は嫌いではない。 自民党の立場に立ってみれば福田氏を総裁に立てたのも理解できる。 何しろ、この人の口から「自民党には変な人など一人もおりません」と言われたら、 本当に信じてしまいそうなほどである。
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自民党は、ある種の父権的存在感をもって、民主党と対峙しようとしている。
礼儀的で毅然とした態度、遊びのない態度。 戦後の与党第一党として国を支えてきたという自負と威信。 「不満や要望があるのなら言いなさい。考えておくから」という態度。
「おやじのやり方じゃあもう何もかもだめなんだ」と憤る息子へ向かって、 「じゃあお前できるのか。できるわけないだろう。」と威嚇する。
自分の考えを変えない父親。 過ちや我が身のほころびを、そして息子の存在を認めようとしない父親。 そして、絶対的な力をもっている父親。
小沢一郎民主党党首は、この自民党の父権的存在感をおそらく身にしみてわかっている。 自分は老獪の騎士であろうとも、民主党自身は所詮未熟な若造であることも。
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未熟な若造とともに不器用に未来を模索していくことを、国民は選択するだろうか。 それとも、父親の庇護の下に与えられた未来を選ぶだろうか。
私にはわからない。
2006年10月04日(水) 生産性と専門性 2004年10月04日(月) ますらおぶり
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