浅間日記

2007年07月24日(火) かりそめ

申し分のない夏空の下、山へ。
今日は、お外のお仕事である。

一月のあいだ来ないうちに、山は枝葉が茂って
同じ場所とは思えないほどである。
変わらないのは、熊や鹿がほんの少しむこうで息を潜めている気配。



帰りに、山の家へ寄る。
父がやめてしまった畑は、雑草の群落となっている。

冷たい家の中へあがり、コップに水をくんで飲む。
エディット・ピアフのCDをかけて、ぼんやり板の間に横になる。

彼らはもうほとんどここへは来ないだろう。
今までここで過ごしてきたことは、これ以上継続されないのだ。

いったん終わりと区切りをされた場所へ、次の時間を継ぎ足すにせよしないにせよ、
世代間の引継ぎというのはしんどい作業である。

私は父みたいに上手くやれない。畑もなにもかも。
いい年をして何も身についていないから、今になって慌てている。

生きている時間や場面というのは、はかなくてかりそめなくせに、
ときどき永遠であるかのように幻惑されるから嫌だ。

2005年07月24日(日) 
2004年07月24日(土) メモリがいっぱいです


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