浅間日記

2007年06月12日(火) 親福子福 その2

養老孟司さんが「『親になる』を考える会」の設立を発表したというニュース。
「『少子化とは“少親化”のこと』という視点から、親になることの重要性を広く訴える考え」、と書いてある。

養老さんがどのような取り組みをするのか、期待している。
ベビーブームのような、子どもを増やすだけの薄っぺらいムーブメントにはしないでほしいと思う。



『親になる』を考えるためには、
『親にならない』を隣において考えなければいけない。


親になることは素晴らしいことだと思っている。
でもそのことは、
リプロダクティブ・ライツ/ヘルス−女性の性と生殖に関する自己決定権−
をおざなりにしてよいということではない。

むしろ、不可分であるとさえ思っている。



親になることは、既定事項ではない。国民の義務でも何でもない。
親になることは、万人にとって正解でもない。
そして、必ず子を授かるというものでもない。

それは、自分で選んで決めることだ。
産めばよいというものではない。



ひとたび人の親になることを自分で決意するのなら、
それがどんなかたちであれ−子を授かっても授からなくても−、人生の意味は深みを増す。

喜びはよりいっそう喜びとなり、悲しみはより深い絶望になる。
怒りは、それを許すために今までよりもずっと忍耐を必要とする。

そんな、因果の荒波をどうにかこうにか乗り越えてゆく時には、
「自分は親になることを選択し、決意した」という忘れがたい記憶が、
唯一の支えになるのだ。

2006年06月12日(月) 産地直送・源泉掛け流し
2005年06月12日(日) 


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