浅間日記

2006年11月24日(金) ここに残るということ

祝日の昼下がりを、Aとふざけて過ごしていたら、
ラジオで「作家の灰谷健次郎さんが食道がんのため亡くなりました」という知らせ。

戦後の児童文学を支えてきた作家のひとりである。
代表作の「兎の眼」「太陽の子」がよく知られている。
享年72歳だそうである。



親を亡くすような悲しみがこみ上げて、
今もそういう気持ちでいる。

学校の図書館で読んだ「兎の眼」は、
今でも私の中にある。



後藤田正晴さんのように、灰谷さんも、
あの「最期のカード」を使ったのだろうか。

子ども達が大変な今、
メッセージを込めて旅立ったのだろうか。

そうだとしても、何故今逝ってしまわれたのですか、
という心細さは消えない。



子どもの頃に憧れ、慕情を寄せ、手本としてきた大人が旅立ってしまう。
そんな年齢になったことを実感する。

もう私もここで一緒に終わりでいいです、と言いたくなる、
自分の甘えた寂しさをどうすることもできない。

「次のことは−子ども達のことは−、あとはあなた達がやるんですよ」
というメッセージを、私はどうにかこうにか受けとって、
明日へつなげていかなければならないのだけれど。


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