浅間日記

2005年12月23日(金) パレオパラドキシア

仕事を終えて、やれやれと、雪の中、箱庭の街を一巡り。
昨日のことである。

街のはずれに「美術博物館」なる不思議な名称の施設。
かねてより学芸員のレベルの高さについてA君から噂を聴いていた場所で、
ついに訪れることができたと言うわけである。

誰も居ない静かな館内で受付スタッフから丁寧な説明を受けた後、
誰も居ない自然史のコーナーへ。
館内には、タイスの瞑想曲が静かに品よく流れている。

タイスの瞑想曲を聴きながら、誰もいない博物館の中で
150万年前のオオカミ類の骨や、180万年前のゾウの骨をみる。
生まれて初めてだし、多分最後になるだろう。

「…従って、150万年前のこれら○○も、この地で未来に発見される可能性がでてきたわけです」

150万年前のことについて、未来に託す。
これを書いた人にとって過去とは、未来とは一体どんなものなのだろう。
未来というのは、本気で願えば何でも託すことができるものだ。


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