浅間日記

2004年10月22日(金) はんらんの話

重慶で、民衆が暴動を起こしているそうだ。
市庁舎を3〜4万人もの群集が取り囲み、催涙弾などで鎮圧されたらしい。

一体何故重慶という土地で、
日本人がバッシングの標的にされたり、
人々のこのような怒りや悲しみや閉塞感が噴出するのだろうか。

能力のあるリーダーや組織によって起きた事件にはみえない。
たまたま道端にいた一人の市民の戯言が、このような暴動につながったのだから。

日本をはじめ海外の事業所が多いことが、一つのきっかけではないかと、想像する。
資本主義国の文化を身近に感じ、隣の芝生が見え、
自国の統制に対する不満や不条理に気がついてしまったのではないか。
そういう群集心理に対して、害虫を駆除するように催涙弾で追い払っても、解決にはならないと思う。
しかし中国の文化を解さない私の考えだから、間違っているのかもしれないが。



ローカル紙の一面は、ここはメコン川かと思うような、千曲川の写真。
チョコレート色の水が本来の河道が判別できないほど、広がっている。

蛇行を繰り返す千曲川の防災上の弱点は、土砂が溜まりやすい曲線部にある。
写真に写っている氾濫場所も、やはり曲線部であり、
氾濫で残された水域は、地理の授業で習った三日月湖そのものである。

今回の台風23号は、河川だけでなく山々にも、結構な傷跡を残した。
晴れ渡った空に現れたアルプスのココそこに、爪で引っかいたような崩落地がみられる。



自然災害は、まことに大変なものだ。
三位一体の改革で防災関連の国庫補助金も削られる予定だが、
こんな国土規模の大災害の復旧を、
たまたまそれが発生した小さな山奥の村や町が担わなければならないのだろうか。
それとも緊急時のことは、「地方にできることは地方に」の対象から外れるのだろうか。

山村で暮らしたことのある政治家でなければわからないこともある。
都市票を重視した政策を重視することも分からなくもないが、
地方政策については、こういう点が今後心配である。


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