2004年06月27日(日) |
berry berry and berry |
山の家にたどり着いた時には、既にそこらじゅうが スグリの甘い匂いでいっぱいだった。
先客である父母への挨拶もそこそこに、熟れ具合を確認しにいく。 透き通った、ドロップのような桃色の果実を口にすると、 独特のノスタルジックな香りが広がる。
次に確認すべきは、ヤマグワの実。 たっぷりと実をつけ、枝が垂れ下がっている。 他の虫や生き物にも等しくチャンスが与えられているから、 先客が手をつけていないか注意して口に入れる。 この桑の実は、ジャムにすると生食とは違う風味に変身し、 パンケーキとの相性は抜群だ。肉のソースとしても大変よい。
畑の端にあるグミ(おそらくナワシログミ)の実は、 宝石のように朱色の光沢豊かな実を、 さくらんぼのようにこれ又たわわに実らせている。 しかしよく熟していなければ大変渋みがある。
Aは平気な顔をして6つも7つも食べていて、 一体この人の味覚はどうなっているのかしらと思う。 初めての試みで、今年はホワイトリカーに漬けてみる。
足元には真っ赤な蛇苺。鮮やかな赤が初夏の若草に映える。 しかしこれは観賞のみであり、残念ながら食べられない。 イチゴについては、もう少し時期を待って登場する キイチゴかクマイチゴを楽しみにすることにしよう。
春先に植えられた当初には、 「こんな土地にないもの植えて」とぶつぶつ言ったことを忘れ、 僅かに実をつけたブルーベリーを口にして、 うん、美味いわこれ、などと都合のいいことを言う。
山の植物は結実の季節を迎えている。 みずみずしく、香りがよく、適度な酸味が特徴的で、 食用に改良される前の原始的な果実の味が楽しめる。 採っては食べ、食べては採り、という作業もまた楽しい。
だからここしばらくの間、植物図鑑に 「初夏に結実、実は可食」と書いてある潅木類は、要チェックなのである。
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