事務所にて仕事。 ばたばたと忙しいが、いまここで動きを止める訳にいかない。
昼食を作りながらラジオのニュースを聞く。
小中学生を狙った事件がまたあった。 「…男が近寄りカッターナイフで少女の顔をきりつけた。少女は浅い傷を負ったが、無事でした」というような内容。
焼きそばをズルズル食べながら、 何が無事なものか。とまた腹を立てる。
そういう表現は、たとえば、 【寝屋川市に住む64歳男性、3日ぶりに北アルプス奥穂高岳で無事救出】 とかそういう場合に限って使用してほしいものだ。
じゃあ、 山の中で3日間死と隣り合わせの思いをした中年男性の心の内は慮らなくていいのかと自問する。 他人の悪意が介在しないという点で、いいのだともう一人の自分が即答する。
知らないオヤジに大切な顔を切られた少女の気持ちを思う。 怖かったね。ダイジョウブ貴女は何も損なっていないよ。とひとりごつ。
牛乳をぐびぐび飲み干してまた仕事に戻る。
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