久しぶりに眠った気がした。
午後一で姫のおみまい。 外は雨でとても寒かった。 姫は平衡状態。 片目が腫れて痛々しい。
無力な私は酒と2,3日分の食料を買って 家に帰る。
大人買いはちくろ読みながら 泣きながら、 そろそろ薬飲んで酒飲んで なんとか明日の朝まで逃避してしまおうかと 思っていた矢先メールが来た。 LKさんだ
なぜか近くに居るらしいので お茶でもどうですかと。
ひとりで腐っていても仕方ないので 30分で支度して待ち合わせ場所で。 この先自分には何が起こるか分からない。 起きた時、すぐに立ち上がる自信はまだない。 この次、いつ逢うかもわからないので クリスマスと誕生日とバレンタインデーを ごちゃまぜにしたものをあげた。
驚いていた。 私の贈り物は、ツボをつくのがうまいんだよ。
カフェの窓からは雨粒と暗い空が見える。 この人は雨が似合うと思った。 気が付けば知り合って8年はたつけれども この人の事をあまり知らないし知ろうともしなかった。 だけど色んな出来事を私は無駄に覚えている。
「記憶力がいいね」 「なんかね、○○ちゃんはかっこいいんだよ 悪い事もしてるけど、さらっとしててさ」
カフェラテ1杯で2時間近く喋るなんて 乙女かよ。
「どうやったら、女の子って泣くのかな」
憂さ晴らしに、暗い顔した女を泣かせたくてたまらないけど、 女の泣きのツボがイマイチわからない私は聞いた。
「簡単だよ。自分が、こうなればいいなって期待して、 した事に対して、自分の予想と違う行動や答えを出されたら、 期待した分泣くんだよ」
「頭悪いんじゃないの。 他人に期待して何の得があるっていうのかね。 乙女心はまったくわからん。 涙は大事な時のためにとっておかなきゃいけないんだよ。 泣くときは一人で泣かなきゃ」
「○○ちゃんは乙女心なんてわかんない方がいいんだよ。 そのカンジでずっといいんだよ」
ああ、いい人過ぎる。 「いい人過ぎて騙す気にもなれない」と 本音が出てしまった。 去年からちょっとずつ駆け引きをしてみたが あなたの場合、手駒が見え過ぎるんだよ。 こんなにいい人を私の都合で動かしてはいけない。
暗くなってバイバイして 家に帰ってすぐに私は酒を飲みだした。
メールがきた。 今日はありがとう。誕生日はいつ?ホワイトデーのお返しは? 沢山の言葉が降ってくる。
お返しは、あなたのLIVEDVDでいいよ、持ってないから。
家に居ると姫の事を考えて 頭が痛む。
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