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思い出さない日は無い。
キミがくれる夢はいつも吉夢。
あなたではない誰かがあたしを見つけ出して、その手を取り合う日が来ても。
キミはあたしの中に、そしてあたしはキミの中に残り続ける。
一緒にいた日々は、消える事なく記憶の砂塵に混在するんだ。 だけれど、決して埋もれる事なく−…輝きは失われる事もなく。
…憐れだね。 まるで呪いか何かみたいだ。
思い出すくらいなら、忘れて貰えた方が気が楽だ。 キミの中に残る過去の記憶にも苦しむなら、いっそ忘れて、そして忘れられてしまいたい。
たいしたことない、と思ってたんだ。 すぐにこの関係は終わりが来ると思ってた。
終わりが来るであろう場面は何度も訪れた。 その度に、何度もあたしは諦めようとした。 でもキミは決してあたしの手を離そうとはしなかった。 どんなに振りほどこうとしても、掴んで離しはしなかった。
キミの顔を見ようとはしないあたしを、何度も両頬に手を添えて振り向かせた。
−なんで
なんで、あたしを何度も引き止めるの? どうして、あの人の時はキミは諦めてしまったの? あの人は、手放してしまったの?
キミと共に歩めるのか。 歩みたいのか。
それをあたしが、望んでいるのか、どうか。
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