2005年05月26日(木) |
高齢者の自殺について。 |
若い人が ネットで自殺する仲間募って どっかで勝手に練炭だか何だかで死んだなんて話聞いても 虚しさどころか 呆れるというか 鼻で笑っちゃうような バカにした気持ちしか 私の胸の中には発生しないんですが
高齢者が自分の責任全うして 最後に孤独の中で 自殺という幕引きを選ぶ話だけは 切なさや虚しさや どうしようもない複雑な気持ちが 痣のように残るわけで。
昭和39年に 博多から 田舎へ嫁いでいった 夫の一番上のお姉さんが 素敵なお嬢さんを立派に育て上げ 旦那が借金残して女のところへ出ていっても 毎日毎日働いて 女手一つで借金を返しきって家を守り これまで誰の世話になることもなく 最後の最後に 人生の幕を 69歳で ひとり静かに降ろし
平成17年の 今日がその葬儀でした。
苦労から逃げ出すことなく 裏切りも真っ向から受け止め 子供をそれぞれ自立させ ただひとり 田舎の家を守り 畑はとても手入れが行き届いて みずみずしい野菜たちが もう手入れする人がいなくなったことなど知るよしもなく 青空の下 収穫されるのを待っていて。
日本では 農村の高齢者の自殺が多いと 以前何かで読んだことがあるけれど
働いて働いて 子を産み育てて守ってくれた人たちが そうやって強い責任感と孤独の中で自ら幕引きしていくような国が先進国だなんて。
先進国なんていっててもその社会は所詮 今だに楢山節考を個人に無言で強いようとする こんなのが現状だったりする国で。
国の金は役人が好き勝手に使いまくってるのに 働いて働いて年貢納めてきた高齢者は 寂しかろうが辛かろうが孤独だろうが放置されるだけで。
高齢者の自殺防止に取り組む自治体もようやく出てきたという話も聞くけど もっともっと 昔気質の高齢者たちを 優しく見守りフォローしてくれる自治体運営ってのはできないものなんだろか。
うちの隣にずっと一人で暮らしていた 「と〜な〜り〜の〜お〜く〜しゃ〜〜ん・・・」の婆ちゃんもそうだったけど 世の中には一人で誰の世話にもならないように 自分たちの力だけで頑張ろうとしてる年寄りが多くって それを昔気質とか言うんだろうけれど だからといってそれを個人の問題にしてしまうのは 高齢者に関しては絶対に絶対に冷たすぎる。
「だったら子供に頼ればいいのに」と 人は思うだろうけれど 隣の婆ちゃんもそうだった。 頼れないし、頼って子供の家庭に迷惑かけるのが辛いから 必死で自分だけで不自由な思いしながらでも頑張ってたんだ。
日本はリトアニア、ロシア、ベラルーシ、ウクライナといった 旧ソ連諸国に次いで 世界でも自殺が多い国になってるとか。
そして この事実に誰もが蓋をして他人事のフリをしている悲しい国。
何が行政なんだか。 何が国家なんだか。
練炭自殺の若者だの 借金やリストラから逃げるためだけの人間の自殺心配するんじゃなくて
きちんと責任果たして老いを迎えた昔気質の人たちが どうかもうこれ以上辛い最後を決断せずに済む社会作りに その3月になったらやたらと意味不明に使いまくる国の金の一部でもいいから 役立ててあげようなんて考えは これっぽっちも 今も昔もお役人様方は持ち合わせてないんでございましょうか。
もっと農村部に、もっと高齢者の心のケアに予算をわけてあげてください。
辛い、と 寂しい、と口に出せずにいる昔気質の高齢者の為に。
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