2005年02月19日(土) |
病と老いに男は弱い、と。 |
過日、うちの左マヒ父が 異様に不安げな声で電話をしてきた。
隣室なんだから私が出向いてもいいけれど 顔を合わせるとこれまた病気以来すっかり長話爺になってしまった父から逃れるのが難しく、話がエンドレスになって大変な上に、私はこの後幼稚園に息子を迎えに行って教室に行かねばならない為、そのまま電話で用件を聞くと
「横になると動悸がして昨夜は一睡もできなかった」という訴え。
一瞬、脳溢血の次に心臓病か?と 背筋に冷たいものが走りそうになったものの とりあえず症状を逐一聞いてみることに。
すると ・横になったら胸が締め付けられるような感じ ・起きあがるとそれはなくなる ・血圧は正常 ・脈は90台 ・横になるとそうなるので怖くて寝られない
とまあ こんな感じだったり。
父の担当医はこの日は不在のため 同じ病院に電話で相談してみると 急を要するようだったらすぐ来てもらってもかまわないが そうでなければ明日の朝来院されては、とのこと。
てなわけでとりあえず予約を入れておき 父を安心させるためその旨を伝える電話を入れ 私もついでに耳鼻科を受診したかったし 明日一緒に病院に行こうと伝えると、やたらと安心して 多少落ち着きを取り戻した様子で。
結局この日は息子を幼稚園に迎えにいったものの なかなかすんなり帰りの用意をしてくれず バタバタ用意させてあわてて車を飛ばしてもロクなことはなかろうし この日の教室をサボることに。 おかげでやたらとゆっくり買い物ができた余裕の一日となったわけでありました。
で 息子を連れてショッピングセンターをぶらつきながら ふと考えました。
男って生き物は ほんっとに病と老いに弱いもんだな、と。
いま寝たら、明日起きれるかどうか不安だなんてセリフ 口に出すのはたいてい爺さんだったりするわけで 婆さんがこんな気弱なこと言うのは聞いたためしがありません。
小さな不安が増大して 眠れなくなってしまった父は 結局、翌朝はすっかり元気一杯で どこが「心臓よわいねん」状態だよ、おいってな歩調で車に乗り込み 心電図にも異常はみられず 軽い精神安定剤を数日分処方してもらったといいながら 照れくさそうに診察室から出てきました。
69歳になると 死が遠い先の話でなくなる現実と 向き合わなければならない夜も時にはやってくる、と。
そういうことかなと ふと思いつつ
リハビリにがんばり、好きな歴史書や古典を読みながら 要点や感銘を受けた部分をノートに綴っている父の姿をみると
まだ死ぬこと考えるには早いよと 軽口を叩いて励ます娘であります。
・・・長生きしろよ。まったく。
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