2004年01月17日(土) |
子宮筋腫ぶっちぎりReport後半 ※手術覚え書き |
【手術当日】(2004年1月16日)
午前五時半 夜勤の看護師さんに起こされる。最大の屈辱、浣腸の時間。 眠い目をこすりながら処置室へ。台に横たわるといきなりM嬢もびっくりの浣腸2本をぶちこまれる。
このときの看護師さん、処置が終わると無表情な上に冷静な声で「できるだけ我慢してください」と一言いって踵を返す。 できるだけってのは一体どこまでなのか具体的につっこんで聞こうかと思ったものの、直腸は「そんな場合じゃないだろ、おい」という緊迫感120%状態。肛門括約筋が大活躍している間にそそくさと病室に戻る。
ものの1分もたたないうちに括約筋が「モウダメポ」と訴える。その後、部屋のトイレでしばし悶絶 モーニングコーヒーならぬ、モーニング浣腸の儀式終了。 もう怖いモノなし。 朝食なし。水分は11時まで。 飲んでいいものは「水、お茶、ポカリスエット」と指示される。手術までの間、プーアル茶と売店で購入した海洋深層水で空腹を紛らわす。
午前11時前 術衣を持って担当の看護師さん登場。 髪を2つに結ぶよう指示される。ゴムが1個たりなかったので借りる。 術衣に着替えると3錠の薬を渡される。 「手術前の不安を取り除く薬」と説明される。 飲むとボーッとするので、ベッドから落ちないように柵をされる。 飲んで数分後、たしかにボーッとしてきた。
薬のせいで本も読めず、テレビで「ぬかるみの女」を見ているところに夫登場。こんなときでもぬかるみを見ている妻に呆れ顔。
やがてストレッチャーが運ばれてくる。 夫、がんばれよとか言ってくれたと思う。 何しろボーッとしてるからここから記憶が曖昧。 ストレッチャーに乗せられて運び出される。 手術室に入ってから自分で発した言葉はよく覚えている。「明るくて綺麗な手術室ねえ。音楽とか流してないと?××病院ではクラシック流れよったよ」
・・・ボーッとしているんだかラリッてんだか。
手術室に入ってからは手際よく点滴だのなんだのが始まる。
やがて背中を丸めるよう指示され脊椎麻酔の準備開始。 本番前に「痛み止めですよー」と声をかけられ他の麻酔をされる。 まさに麻酔フルコース状態。その後、背中を押されるような痛みがあったと思ったが、間もなくすっかり 眠らされてしまう。
■手術開始(術名・子宮鏡下筋腫核出術) ・・・術中、どうやら眠らされたほうの麻酔(局所麻酔じゃないほう)が切れたんだと思う。ぼんやりと意識が戻ってきたところに子宮内を映したモニターが目に入る。 「へえー、こんなふうに映ってるんだ」と口走ったとたん、また眠らされる。 捕獲の為に麻酔銃を打ったが、しばらくして動き出したのでもう一発麻酔銃を打たれてしまったコモドオオトカゲ気分。 薄れゆく意識の中で「あたしゃ保護動物かよ」と心の中でつぶやく。
手術完了。 ストレッチャーで運ばれている途中でなんとなく目が覚める。 ベッドに移されるときに夫が目に入る。 夫が「長かったなあ。手術室に入って4時間くらいかかったんで心配したぞ」と言っていたのが意外で思わず「へえ〜」。
意識が戻るにつれ上半身は動くが下半身がまったく動かず重たいことに気付く。腰も痛い。 それより左手の甲に刺された点滴の針がやたらと痛い。 手の痛みを訴えると看護師さんが針の上を温かいタオルで温めてくれる。 痛み和らぐ。 体が不自由な上に話そうにも頭が回らずなので、いつのまにか寝てしまう。夫、帰宅。
小一時間後、目が覚めて意識がはっきり戻る。 下半身はまだ麻酔が効いたまま全く動かせず重たいまま。点滴続く。 寝返りうてず腰が痛い。 腰の痛みを訴えると、看護師さんがクッションを持ってきて横向きにしてくれる。気晴らしにテレビを付けてみる。 それにしても両足が動かない、感覚がないことがこんなにも重たくて不愉快で辛いことを改めて知り、半身マヒの父のこれまでの苦しみを思い知る。 思い知ったついでにリハビリの苦労も味わおうと思い、感覚のない足を動かす努力をしてみる。重い。即挫折。
午後8時頃 ようやく足がジンジン痺れ始め、感覚が戻り始める。ジンジンジンジンまーつばらジン。などと小声で歌ってみる。つまらん。
午後9時 金曜ロードショー「風の谷のナウシカ」が始まる。 一瞬「元祖!でぶや」と迷うが、絶食中なので素直にナウシカにする。 次第に下半身の痺れもなくなり足も動くようになる。 嬉しいが、今度は股間の管が気になり始める。 いつの間にか尿道に管が入っていて、私の尿は術中から垂れ流し状態でベッド横のバッグにため込まれていたのだった。 時々溜まった尿を看護師さんがシリンダーに移して量を記録している。はずー&しょんべんくさー。
消灯間際になっても点滴が終わらず、看護師さんがこまめに病室に来てくれる。 この日の夜勤の看護師さんはとっても美人で親切で優しい。 どうかこの看護師さんが今後スケベシジイ&オヤジのいるような病棟の担当になりませんようにと心から願う。 時々出血量を見るためT字帯にはさんだ中パットのチェックをしてくれるが、やはり何度経験してもこれはハズい。 午後10時過ぎ 点滴終了。針を抜いてもらいすっかり安心。 そのうち虫軍団に跳ねとばされたナウシカもランララランランランランランと蘇りめでたしめでたし。 テレビを消したとたんに猛烈な睡魔におそわれ一気に爆睡。
■退院(2004年1月17日)
午前6時。看護師さんに起こされる。 体温・脈拍・血圧測定。 股間の管が気になりいまいち爽快感に欠ける朝。 つい二度寝。
午前7時 朝食が運ばれて目が覚める。 大根のみそ汁に納豆、お新香。 シャケくらいねーのかよと思いつつ御飯以外完食。 食後、抗生剤を服用。 朝食が終わるとまたもや手持ちぶさたとなる。 尿バッグ下げてうろつくわけにもいかず、テレビなどを見るも土曜日なのでたいして見たい番組もなく、ヒマなので三度寝。
午前9時過ぎ 主治医に呼ばれて診察室へ。 短い距離だが尿バッグを手に歩くのはやはりハズい。 尿道に管が入ったまま内診台に上がるなんてーまた滅多にできない格好をさせられる。 それよりとっととこの邪魔くさい管を抜いて欲しくてたまらん。 早く私に自由を!
ようやくT字帯と中パットがはずされる。 待ちに待った尿の管が抜かれ得も言われぬ開放感を味わう。 外来診察&手術を担当してくれたメインの先生が内診、エコー。出血も少なく経過良好とのこと。
次回の診察日(約3週間後)と、退院後に服用する薬(ドオルトン・卵胞ホルモンと黄体ホルモンの配合薬)の説明を受ける。
この後、採血。血液検査の結果も問題なく退院決定。 看護師さんより退院後の生活の注意等について説明を受ける。 重い物を持ったりしないこと。 一番風呂以外の風呂(浴槽)には入らず、できるだけシャワーを浴びること。 夫婦生活は次回診察日まで禁止。ちっ。
午前11時頃 会計より請求書が届く。
個室料3万円合わせ合計107.380円也。 着替えとメイクを済ませて帰り支度。担当の看護師さんにお礼を言って病棟を後にする。 帰宅。夫と息子の残した洗濯物の山にゾッとする。
※補足 帰宅前に昼食をとるべく立ち寄った店で、食事中ふと自分の左腕についているものに気付く。 これは紛れもなく入院直後に付けられた名前と年齢が書かれているビニールの腕輪。あいたー。 これを付けたまま堂々と店内を闊歩していた自分に乾杯。 【反省】 過多月経が続いていた頃はイライラしまくり、外出時はいつ経血がもれるかといつもピリピリしてしまい不安でストレスだらけ。 早く大学病院に行ってこのことを相談しておけば、ホルモン剤で生理を止めてもらうことも可能だったのに、受診をのばしのばしにしていた自分を猛反省。生理中の外出時には子供を叱ったり、せかしたりすることが多かったので、申し訳ない気持ちで一杯。今年の夏休みは外で楽しくすごそうね。息子!
★過多月経で悩んでる人は一日も早く信頼のおける病院で相談することをお勧めします。
■医療保険及び共済の手続き
帰宅後、早速医療保険や共済の契約証書を引っ張り出してチェック。(←抜け目無し) 対象になりそうなのは全労済の総合医療共済及びスミセイのがん重点総合型医療保険。 早速問い合わせて保険金請求の書類を郵送してもらう。 両方とも診断書が必要となるが、医師に診断書を書いてもらうのもやたらと金がかかる為(1通3〜5千円から場合によってはそれ以上)共済側に再度電話。スミセイの診断書のコピーでも可能かどうか尋ねる。 対応した男性、「生保とは別にもらってください」と言うが、食い下がって術名と入院期間を告げる。 すると「あ、そのケースでしたらコピーでも結構ですよ」との返事。「ほれ見てみい!」と、つい口から出そうに
なるが、保険金を頂くまではへいこらしておく。
数週間後の診察の際に診断書を頂く。5000円也。ひょえー! さっそくコピーを一部とって、スミセイと全労済へそれぞれ同時に送付。
先に手続き完了の書類が届いたのはスミセイ。 一泊二日の入院と開腹してない子宮筋腫手術で決定額はトータル11万5千円(ちなみにこの保険の年間支払い額は私の場合約3万2千円也) 3月15日に振り込まれる。ありがたやありがたや。
少し遅れて全労済からも通知が来る。決定額5万円。 ちなみに全労済の共済年間支払い額は3万6千円也。 多少の還付金はあれど、この差ってどうよ?
結論:所詮共済は共済。
安いってイメージで共済だけを選ぶと、イザというときにソンした気分。 最近では日帰り手術や一泊手術も俄然増えてきているのが現状なわけで、それに対する保障もないと、結局は重病で長期入院になるか大事故に遭うか死ななければ保険金の恩恵をあずかることはないのが現実。 医療保障が共済「だけ」の人は、無理のない範囲での見直しを是非おすすめします。いやホントに。
最後までお読みくださりありがとうございました。 少しでも御参考になりますればこれ幸い。
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