数年前から流行りだした「駄菓子屋」。 やたら懐かしい駄菓子をそろえてたりします。
昔と違うのはその値段。 ベビーラーメンは10円だったんだけどなー。
今、ベビーラーメンって何?って思いましたか? 私が幼稚園の頃はまだ「スター」がついてなかったんですよ、ベビースターラーメン。 ついでに社名も今みたいな「おやつカンパニー」なんてこじゃれた名前でなくて、 「松田」だったんですってば。 暗めのオレンジ色っぽい袋に、 デカい顔の女の子の顔が印刷されていました。
他に私がよく買っていたのは、タコ糸のついた「イチゴ飴」。 袋の口から糸がいっぱいでてて、 そっから好きなのをひくと、そーとー運がよければ大きな飴が当たるってやつです。
この飴はほとんど今ではみかけないですねえ。
駄菓子じゃないですけど「おばけけむり」とかも好きでよく買ってました。 指につけて遊ぶやつです。 リリアンよりハマりましたっけ。私的には。
そんな中で、 私にとってどうしても忘れられない、 しかもいまだにその味も愛してやまない駄菓子屋の一品があります。
大塩するめの「いかの姿あげ」です。
幼稚園頃からこの味にすっかりハマり、 少なくとも一週間に一度はこれを買っていたと思います。
そんなある日、 この菓子の袋を五枚集めて送ると、 抽選でオセロゲームが当たる!と広告がついていました。 オセロは当時よくCMをしていた人気急上昇中のボードゲーム。 それから私は連日のように小遣いで姿あげを買い、 ついに袋を五枚集めました。
さて、 小学校低学年だった私は、 集めた袋を封筒に入れて送る、という行為に初めて単独チャレンジすることになりました。 んなこたー母親に聞けばよかったんでしょうが、 ここで母に聞けば、禁止好きの母にまた「禁止されるのではないか」との不安が頭をよぎりました。 てなわけで、 どうしても一人でやり遂げなければならなかったのです。
さあ、まずは封筒だ。
両親は店をやっていたので、 請求書などを送る茶封筒がたくさんありました。 店にいってこっそり茶封筒をゲット。
次ぎに宛先を記入。 これまた店からボールペンを拝借してきて、 大塩するめの住所を漢字で一生懸命書きうつしました。
裏に自分の住所と名前を記入。 店のマッチに住所が漢字で書いてあるので、 これをなんとか書き写しました。
袋を封筒に入れて封をすると、 さっそく郵便局へ行って投函してきました。
そーとー達成感でいっぱいだったのを今でも覚えてます。
が、しかし。 そこはやはり私の幼少期。 「切手を貼る」ってことがわかんなかったんですねぇ。
しばらくして私はこのことに気づき、 ああ、だったらあの封筒は絶対届いてないだろうなあ、 へたすりゃ戻ってくるかもしれないなあと、 恥ずかしいのと残念な気持ちで すっかりガックリしておりました。
・・・・んなことも忘れてしまっていた頃。
学校から戻ると、母が不思議そうに小包を手にしていました。 「これ、あなた宛に届いたけど、なーに?」
あわてて包みを開けると、 そこには新品のオセロゲームと、 「ご当選おめでとうございます」の手紙が。
わけわからんといった顔の母に、 ただただ驚いているだけの小学生。
あんとき私は、 なんだか漠然と 「大人ってすごいなあ」と思ったものでした。
今でも大塩するめを見かけると、 オセロが届いたときの驚きと感動とともに、 懐かしい味を思い出す私でございます。
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