子宮筋腫の手術をすすめられていた友人が、 決心して入院した。
彼女、四十半ば。独身。
彼女の子宮には、子供の頭位の大きさの筋腫。 もちろん「開腹による子宮全摘出」。
人一倍病院が怖い彼女だけに、人一倍この手術を決めるには勇気がいったことと思う。 だけど短命だった彼女の実母と実姉も婦人家系の病気だったことを考え、 精一杯の決断をしたようだった。
「別に今、彼氏いるわけじゃないけどさー」と彼女。 「私、これからもう誰ともつき合ったりとかできないのかなあ?」
「なんで?逆やないと?子供できんっちゃけん金持ちの後妻にもってこいやろーもん?モテモテくさ」と私。
別に子宮がなくなったからって女捨てるわけじゃない。 子供が産めることだけが女の価値を決めるんじゃない。
女の臓器を失うことに対する鎮魂。 しばらくふっと言葉を無くしたあと、 彼女の口から出た言葉。
「・・・保険金、いくら出るかいな」 年明けは保険成金やねーと金の計算しながら笑い、 傷の治りが早くなるごとできるだけ術後は動くようにせなよーと、 開腹経験者として助言しつつ病院を後に。
退院したら、もうお腹の爆弾はない彼女。
そうたい。良く生きるための決断くさ。
退院したら、一緒にライオンキングでも見に行こう。
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