・・・真夜中にサイレンの音が近づいてくる。
玄関先のあたりが少し煙り臭い。 ドアを開ける。夜の闇に煙幕がかかってる。
ベランダ側にまわって見下ろすと、 150メートルくらい離れたところにある家が燃えてた。
みるみる消防車と救急車が集まってくる。 怒鳴り声が聞こえてくる。ホースから激しく出てくる水の音も聞こえる。 叫び声が聞こえる。風にのって煙がこちらへ漂ってくる。
ここは無事。 あちらは惨事。
この国は平和。 あちらの国は戦争。
何もできない私は、 ただ、時折激しくあがる火柱と怒号を聞いているだけ。
いまこの瞬間に何が起きるかなんて誰にも予測できないけれど、 何かが起こりうる可能性を考えて注意を怠らずに生きようと思った真夜中の私。
|