やっとメイクができるまでに目が治った。 だからといって何も要求したり、 目で脅したわけじゃないが、 大旦那が外食に誘ってくれた。
本日の「おすすめ」は、 トコブシの煮物、(小さいアワビみたいの) 岩牡蠣のフライ。
他にもあったけど、 この二品が突撃隣の晩御飯的メニューやねぇ。
ときどきあたしは夕食をつくってる時に思う。 「ヨネスケが来たらどうしょー」と。
大きなしゃもじを持って、 玄関で大きな顔で、 「おくさーん、隣の晩ご飯〜」と言われたらどうしよう、と。
冷蔵庫開けられるかいな。 部屋をカメラが撮影するとよねぇ。 台所ちらかっとらんよねぇ。 ゴミ箱きれいしとーかいな。
ヨネスケにだけは、 だらしない女とおもわれたくない。 あいつにだけは、 そんなことをおもわれたくないのだ。
・・・愛?
ちゃうちゃう。
これまで大勢の家庭の台所に乱入している彼だけに、 主婦の酸いも甘いも知っている彼だけに、 びったれとおもわれたくない。 それだけのことだ。
だからあたしは今日も台所を掃除する。 毎日毎日掃除する。
そう、 まだ見ぬヨネスケのために。
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