天上天下唯我独尊

2022年11月04日(金) 親の死を希う

やっと両親を施設にぶち込んだ。
まだ実家の片付けやら色々と始末が残っているが、取り敢えず一区切り付いたという事で、妹夫婦の豪邸にて祝杯を挙げていたところ、義弟が
「お父さん達には永生きして欲しいね」
と口走ったので脊髄反射的に
「えっ何で?」
と訊いてしまった。
吃驚したような困ったような顔をして二の句が継げない義弟の代わりに妹が、
「だってほら、折角施設に入ったばっかりなんだしさ」
と言ったので、
「嗚呼なるほど、入所金が勿体無いもんね」
と一応肯いてみせたのだけれど、どうやら義弟はそういう意味で言ったのではなかったらしい。
「何かさあ、未知の生物を見るような目で見られちゃったよ!」
と自宅にいる主人に電話で訴えると、
「そりゃね。ドビーちゃんも僕もシオンがどういう奴か知っているけれど、彼はそうじゃないだろうからな。
まあこれで晴れてドビーちゃん家には出禁だね」
と言われる始末。
何なのよう、まるで私が悪いみたいじゃないの。
つーかもう十分永生きしたでしょ。呆け老人がこれ以上生き永らえて、限りある社会のリソース食い潰してどうすんのよ。
そもそも私は昔からこういう考えなのだ。
無駄に永生きし過ぎる老人の記事を読んで、安楽死制度(尊厳死制度でもいい。この際呼び方なんてどうでもいい)は必要であると結論付けた高校生の頃から全く変わっていない。たとえそれが自分の親であっても自分であってもだ。
「さっき、私の発言に狼狽えてたわよね、アンタの亭主」
と後で妹に言ったところ、
「ホラ、彼の周りって保育士とか介護士とか、弱者に寄り添う仕事の人が多いからさ……お姉ちゃんみたいなタイプには今まで遭遇した事が無かったから」
という回答が返って来た訳だが、弱者って何かね。
私に思想信条の自由と言論の自由は無いのかよ!


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