天上天下唯我独尊

2020年07月26日(日) 安楽を齎す死

安楽死事件は、何年か毎にニュースになる。
依頼主は患者本人だったり家族だったりする訳だが、知り合いの医者に言わせると
「馬鹿だなー、こういうのはバレないようにやらないと」
だそうで。

自ら死を選ぶなんて駄目、何が何でも駄目!
私もそう思っていた時期がありました。若かったねー。
ああこりゃ自殺も已むを得ないな……と思ったのは、オーストラリアの事例。
野糞したけど紙が無いのでその辺にあった葉っぱで拭いたら、葉にびっしり生えていた細かい棘が肛門に刺さり、そこから猛烈な痛みを惹き起こす神経毒が全身に回ってしまったという話。手で拭いた方がマシだったというね。
これが痛み止めも麻酔も効かないそうで、眠れないほどの痛みが絶え間なく続くのに耐えかねて、彼は自殺したそうな。
今時の指揮棒はグラス・ファイバーで出来ていて、折れた指揮棒に触ると肉眼では見えないファイバーの棘が暫く残ってチクチクと不快な痛みを齎す。
うっかり指揮棒の本体に触って数日間不快な思いをした事のある私には想像出来た。
あのチクチクがずーっと、しかも全身に、耐え難い酷い痛みを伴って続くなんて、考えただけで恐ろしい。
そりゃ銃を咥えたくもなるわ……と、宗旨替えしたのであった。
彼の死を調べても「銃で自殺」としか出て来なかったので、拳銃自殺なのか猟銃自殺なのか、自分の頭に突き付けたのか口に咥えたのかまではわからないけれど。

今回の嘱託殺人、依頼主はALSだったそうで、自分が衰えて何も出来なくなって行くのは辛かったろうなと思う。
突然進行性の病気に罹ってしかも治らない、どんどん悪くなって行くばかり、自分の体なのに思い通りどころか全く動かせなくなる、なのに意識だけはしっかりしているなんて。
痒い所があっても自分で掻けないって、相当辛いと思う。
この女性のように、なまじ人より頭が良くてしっかりしていた人ほど、この状態を屈辱的だと感じるのだろう。
そして自分の意志で死を選びたいと思った時にはもう体が動かなくて自殺すら出来ない。
これって自殺幇助にはならないの?と思ったけれど、嘱託殺人らしい。(習ったのに忘れた!)
まあ、本人が望んだんだから別にいいんじゃないの……これでやっと楽になったんだろうし、と私は思ってしまった。
だってそんな状態で生かされ続けたって、本人が辛いだけじゃないの?

とは言え、三浦春馬君の自殺には賛成出来なかった。
農業やりたいなら俳優辞めてやらせてあげれば良かったのに、事務所が許さなかったのかね。
農業だって甘くはないけれど、体を動かして汗を流す事が心の回復に繋がる場合だってあるし。
未来ある若者が人生を棒に振っちゃ駄目だよ。見る者を幸福にしてくれるイケメンなら尚更。(顔面差別発言キター)


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春 紫苑 [MAIL]

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