天上天下唯我独尊

2018年02月24日(土) 3歳前半

今年に入ってから、隔週で妹のヘルプに通っている。
自分の家に2週間と住んでいられない生活は、結構しんどいものだ。
私よりも主人が可哀相だけれど、うちの亭主は良く出来た亭主なので、文句の一つも言いやしない。

甥っ子は元気で育っている。
彼の通う保育園はとても良い園で、季節の行事もきちんと行ってくれる。
今月の初めには、鬼退治の豆撒きもやってくれた。
しかも生温いなんちゃって鬼ではなく、結構ガチで怖い鬼が登場するそうで、余所の園に移った子供が、転園先の鬼は全然怖くなかったと証言するぐらい。
連絡帳によると、甥っ子は大泣きして、逃げ惑うお友達とは別行動を取り、鬼の来ない0〜1歳児の部屋に避難していたそうである。
相当怖かったようで、それ以来、益々暗闇を怖がるようになった。

妹が仕事で遅くなるので、私が一人で甥っ子の面倒を見ねばならない日があった。
しかし甥っ子がなかなか言う事を聞かない。
疲れて眠いのはわかるが、だったらさっさと飯食って風呂に入ればいいのに。
「悪い子の所には鬼が来るよ」と言うと、
「こないよー」といい返して来た。
私も大人げない上に、一々説得するのが面倒臭いので、
「よし、じゃあ試してみるか?」
と電気を全部消して、部屋を真っ暗にしたところ、甥っ子大号泣。
もう全力で号泣。
ちょ……まず落ち着けや、と抱っこしようとしたら、鬼と間違われたのか、全力で振り解かれた。
泣き声が大き過ぎるので、甥っ子の耳元に口を寄せて「言う事聞くか?」と訊くと、泣きながら小さな声で「ハイ……」と言う。
「お利口さんになるか?」「ハイ」
「よーし」と、電気を付けて部屋が明るくなったところで、漸く泣き止んだ。
しかしよっぽど怖かったのかショックだったのか、甥っ子は暫く座布団に突っ伏して、顔を上げようとしなかった。
その後はちゃんとお利口さんに生まれ変わり、歯磨きでもお風呂でも手を焼く事無く、スムーズに寝かしつける事が出来ましたとさ。

鬼とかオバケとか地獄とか、科学的に証明されていないものなんてナンセンスと言う人はいるけれど、教育には有効である。
我々は、逃げた者の子孫だ(byグリッソム@CSI)


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