主人が好きなので、冬になると時々、スーパーで干し芋を買う。 あれば私も食べてしまってすぐに無くなるため、いつものより少しだけお得な大袋を買った。 帰宅しておやつに食べてみたのだが、一口目から違和感が。 細いビニールテープのような物が、口から出て来た……芋にくっ付いていたらしい。 宝籤には当たらないくせに、こういうのだけ当たるんだよなあと思いつつ、メーカーのホームページから苦情を入れておいた。
手間がかかっているとは言え、干し芋って高いよな。 自分で作ったらどうだろうと思い、安納芋を買って来た。中が黄色くてねっとりとした、普通の薩摩芋よりも高級なやつである。 ところが中が黴ていて、2本のうち1本しか使えなかったため、単価が上がって益々高級に! ネットで検索してみたら、まずは蒸して、次は天火で焼いて、最後に天日干しにするらしいが、日照時間的に無理なので最後の手順はカットする。 塊のまま茹でて、皮を剥いてスライスし、天板に並べてオーブンで焼く。 そもそも料理をしないので加減がわからず、様子を見ながら、少しずつ温度を上げたり時間を延ばしたりして、焼いてみた。 後は放置。乾燥する時期だから、これで水分飛ぶんじゃね?という腹積もりである。 出来上がった水分大目の黄色い干し芋もどきを主人に食べさせてみたら(毒見とも言う)、なかなか好評であった。元々の芋が美味しいからね。 2本入りだったのに丸々1本黴てて使えなかったのよーと言うと、それなのにシオンがスーパーに怒鳴り込まないなんて……!と驚愕された。 虫の居所が悪かったら、そうするけれどね。今回はそれよりも、干し芋作りを優先させたかっただけなのだ。
さて、苦情を入れた干し芋メーカーからは、謝罪の言葉と、代わりを送るので残りの商品を着払いで送って欲しい旨のメールが来ていた。 残りの商品て……もう殆ど残っていない(笑)。 異物は捨ててしまったし、誠意を見せろやゴルァ!な気持ちも無いし、品物は美味しいので今後注意してくれればそれでいいよと伝えるメールを返信すべく、失礼にならない文章をPCの前で考えていると、宅急便が来た。 荷物を受け取って戻ってみると、主人がPCの前に座っており、使いたそうにしていたので、そのメールを完成させて送ってくれたらPC使っていいよ!と体よく丸投げ。 主人はさくっと仕上げてゲームを始めた訳だが、後で送信済みメールを読んでみると、上手い事ちゃんとした文章に纏められており、私は感動すら覚えた。 基本はシオンの文章で、ちょこっと足しただけだよと主人は言うが、私が苦労した文の締めをあっさりと完成させるなんて。私の中で、また主人株が上がったのであった。 まあ、他の所ですぐに下がるんだけどな。 「シオンの振りをして、『代替品なんて言っていないで、金寄越せやゴルァ』って書いても良かったんだけどさ★」 いや、それやったら捕まりますから。私が! だって、実際に書いたのは主人だと、誰も証明する事が出来ないのだから。
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