中古でサンソン・フランソワのCDを買った。 ドビュッシーの「子供の領分」「版画」「ベルガマスク組曲」「ピアノのために」が収録されている。 これかけて、と主人にCDを手渡しながら、 「ずっと前にCDを借りて、この人のショパンを聴いた事があるんだけれど、どうにも苛々して駄目だったのよね。二度と聴くかと思った」 と言ったところ、主人に言われた。 「じゃあ何で買ったんだよ……」 それもそうねえ。 「版画」を聴きながら、 「音階が日本的なのかなあ、日本の屏風絵みたいなのが脳裏に浮かぶ」 と私が呟いたら、 「ドビュッシーやラベルは日本好きだったからね、音楽にはかなり影響が出てるよ。この版画ってのも、つまりは浮世絵だろ」 と主人が解説してくれた。 なるほど浮世絵の事だったのか……と思いつつ、その辺で記憶が途切れている。マッサージベッドで横になったまま、眠ってしまったのだ。 目覚めてから、 「私が寝たからCD途中で止めたでしょ」 と主人を問い質したら、そんな事は無い、僕は最後まで聴いたぞ!との事であった。 じゃあどうだったのフランソワは、と訊くと、ピアノの音が単色だったという。つまり主人の好みではなかったという事か。
あとで全部聴いてみたが、嘗て聴いたショパンほどの違和感は無かった。 但し「ゴリウォーグのケークウォーク」を除いて。ケークウォークじゃなくてびっこひいちゃってるんだもん。 そして音がおかしかった。内声を強調しているのでは?と主人は言うが、楽譜には無い音を弾いているように思える。違うかなあ。
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