1箇月経つのにまだ喉が痛いので、梅のど飴を買いに、いつもと違うスーパーに行った。 何故かいつも行く店では、これを置いてくれない。以前はあった気がするんだがなあ。 序でに主人の好きなお菓子も買って、作荷台の横をすり抜けて入り口に向かおうとしたら、正面から見知らぬ男が来た。 一見チンピラのように上下白のスーツに身を包んではいるが、薄汚れていて、何故かズボンのチャックは下まで下りている。 このクソ寒いのに外套も着ず、気持ち悪いとしか言いようの無い造りの顔。関わらない方がキチ。 私はそう判断し、咄嗟に作荷台の反対側から入り口に向かおうとした。 のに、顔を上げると、その男が何故か私の目の前に立っていた。 なに瞬間移動してんだよコイツ。目が合っちまったじゃねーか、気持ち悪いんだよ。 しかも声をかけて来た。 「結婚してるの? あ、してるんだ……」 私の左手の結婚指輪が見えたらしいが、だから何だってんだよ! お前にゃ1ミクロンどころか1ピコメートルも関係無いだろ! 気安く話しかけんな!
患者かなあ、患者っぽいよなあ。 前にもいたよな、豆腐パックを片っ端から指でぷにぷにする患者。 どうやらあの店は、患者遭遇率が高いらしい。 数少ない徒歩圏内の店だが、もう行きたくない……。 心の中に澱が溜まってどよーんとしてしまったが、帰りに他の店に寄って、お店の人と下らない事で笑ったら、何だかホッとした。
「斯く斯く然々で実に不快な目に遭ったの!ヨシヨシ(=抱っこして頭ナデナデ)して!」 と帰宅した主人に訴えたところ、こんな答えが。 「お仲間だと思われたんじゃないの」 「……何の仲間よ?」 「えっそりゃあ、患者仲間★」 一瞬、主人に対して殺意が湧いた。 患者なんだから、私も無罪放免よね?
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