NHKラジオ語学講座は、1週間遅れでネットでも聞けるようになっている。 ロシア語だけは何故か対象外だったが、今年度から漸く利用できるようになっていたので、テキストを買うべく本屋に向かった。 序でに、最近ネットで話題になっていた本も買った。
田房永子著「母がしんどい」
漫画形式なのであっという間に読める。 しかし読んで幸せな気分になる本では無い。寧ろずっしり。 精神的虐待物語である。 虐待ものといえば「Itと呼ばれた子」や「毒になる親」(こちらは未読)が有名だが、多分それらよりはずっととっつき易いと思う。漫画だし。 ただ、作者の体験を描いているだけなので、具体的アドバイスを求めるなら、別の本をお勧めする。
「おや、シオンがこういう本を買うなんて珍しいね」 と主人が見付けて手に取ったものの、途中で断念していた。 自分も親からこんな事された!似たような事があった!という共感が無いなんて、主人は幸せな子供だったのだろうと思ったら、子供時代の記憶が余り無いのだという。 虐待などの辛い目に遭うと子供は自分を守るために記憶を消してしまうというが、彼の場合は虚弱で常に具合が悪くてどこかが痛いという子供時代だったらしいので、そちらが辛かったのではないかと思われる。
子供というのは、知恵も経験もスキルも無くて無力だけれど、記憶は残る。 大人になってから、あああれはこういう事だったのだなあと、親の心を分析出来るようになるけれど、やはり理不尽な思いと恨みは残る。 アダルト・チルドレンとして返り咲いた東ちづるのように今更親を糾弾するつもりも無いけれど、許すつもりも無い。 とは言え、絶対に許さないという訳ではなく、過ぎた事は仕方ないという感じか。 だってもう今更どうしようも無いし。完璧な親なんてそうそういないし、底辺DQN家庭に生まれなかっただけラッキーだったと思う。
読んでみて思ったのだが、私、この母親に似ている……。 子供がいたら同じ事をしていた気がするので、子供がいなくて良かったと思った。
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