主人と遠出した。 テーマパークと言うのかな、展示があったり、乗り物があったりする広い所に連れて行って貰った。 長い通路はひんやりしていて、夏はここに住みたいと思うほど。 涼しい所から外に出たら、とても暑く感じられた。
建物の外の、少し山になっている所には、スライダーとかいう乗り物コーナーがあった。 乗り物いいなあと思って見ていたら、子供だけじゃなくて、家庭のお父さんらしき人も乗っているではないか。 大人も乗っていいんだ!と思うと、何だか嬉しくなってうずうずしたので、主人にねだってみた。 「ねえねえ、あれ乗っていい?」 いいよと許可を貰ったので手荷物は主人に預け、500円玉を握り締めて受付に向かった。 リフトに乗って、山の上へ向かう。 最後にスキーでリフトに乗ったのは、いつだったろう。 リフトに乗るのも久し振りだが、雪の無い所でリフトに乗るのは初めてで、一寸緊張した。 何しろ、スキーを履いていないので、足の下が滑らないのだ。転ばないように気を付けなければならない。 終点に着くと、携帯で主人に電話した。 「今から降りるから、写真撮ってね!」 私は普段メールも電話も殆どしないため、携帯電話の扱いに慣れていない。未だにどこに何の機能が眠っているのか、把握出来ていないのだ。 そんな次第でモタモタしていると、私の後方のリフトに乗っていた子供が到着してしまったので、慌てて橇へと走る。 係員のお兄さんからブレーキなどの操作方法の説明を受け、ドキドキしながら橇に乗った。 山の上から景色を楽しみながら降りて来るつもりだったが、実際に乗ってみると、とてもそんな余裕は無かった。 風を切るのは気持ちがいいが、スピードが出ると、金属製のハーフパイプから橇ごと飛び出してしまうのではないかと言う恐怖心に襲われて、ついブレーキをかけてしまうのだ。 カーブに差し掛かる度にのろのろと曲がっていると、後ろから子供の乗った橇が近付いて来る音がした。 子供は大人より恐怖心が薄いのか、凄いスピードだ。 お先にどうぞと言いたいところだが、一方通行の単線なのでそれは無理。 必死でブレーキを緩める私。もう景色どころではない。 主人が向けてくれるカメラの前でリアクションを取る余裕も、当然無し。 ゴールは後ろの子供とほぼ一緒であった……最後はゴツンとぶつかられたし。 「進路妨害してたぞ」と笑う主人に、「だって後ろの子が速いんだもん〜」とぎゃはぎゃは笑いながら答える私。 子供の親も笑いながら、最後にぶつけちゃってすみませんと言って来たので、こちらこそ遅くてすみませんでした……と謝っておいた。 子供には悪い事をした。もっとスピード出して楽しみたかったろうに。
でも楽しかった! 主人が撮ってくれたゴール写真は全て、子供とのツーショットになっていたけれど(笑)。
|