髪がボッサボサよー! 面倒だしどうにもならないので、後ろで1本に纏めているが、前髪もぼさぼさなので、非常に老けて見えるのだ。 只でさえ、引越しの心労で老けて見えるというのに。
もう限界。 財布を持って、家を飛び出した。 ぶらぶらと歩いて、小洒落た店構えの美容院に飛び込んだ。 店主と思われる中年女性が、いらっしゃいと言いながら、読んでいた雑誌を横に置いて、ソファから立ち上がって出迎えた。 閑古鳥……まあ、待たずに済むからいいか。
肝心の腕はと言うと、微妙であった。 私の場合、美容院に求めるのは、仕上がりだけではなく、癒しの時間でもある。 それがこの女店主、何をするのも大雑把。 下手ではないが、上手でもない。 良かったら通おうかと思ったが、これは今回限りだな。
翌朝、毛先は思いっ切り跳ねていた。 どうして跳ねやすい長さで切るのよ……。 もう行かね。
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