副作用こそ出ないものの、一昨日出して貰った薬は余り効いていないらしく、主人は相変わらず1日の殆どを寝床で過ごしている。 喉の薬を貰ったのだが、やられているのは恐らく気管支……まさか肺炎までは行っていないと思うが。 そろそろ布団上げて掃除したいな……。 決して私が綺麗好きなのではなく、布団が黴るのが心配なのだ。
医者でも看護婦でもない私に出来る事は、限られている。 死んでいないかと時々様子を見に行って、薬の時間になったらお粥を作って食べさせた後に薬を飲ませ、喉が渇いたと言えばポカリを持って行くぐらいである。 あとは本人に備わっている筈の、自然治癒力に任せるしかない。頼りないけれど。 基本的に世話焼きではないので、主人は寝室に放置して、私は居間で、昨年録り溜めた映画やドラマを観ていた。
昼過ぎ、外に雪かきに出ようとしたら、どこかから低音が聞こえた。 何、この地の底から聞こえる音は……私の名前? 音の出所は、主人だった。 一応呼び出し用に枕元に携帯電話を置いてはいるが、私がドアの前にいるのを察知して、呼びかけていたらしい。 喉が痛くて大声を上げられないものだから、超低音で呼びかけたのだが、低過ぎてよくわからなかった。 用件は、喉が渇いたからポカリくれ、だった。 謎の低音の正体がわかるまで、一寸怖かったんだけれど。 早く風邪治せよ!
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