原作未読だが、テレビ朝日開局50周年スペシャルドラマという触れ込みで、暫く前から流されていた番組宣伝を見ていて、興味を持った。 開局50周年という節目の年なのに、無名の新人の処女作を取り上げるって、テレビ朝日も随分チャレンジャーだなあ……と思っていたら、正確には開局51年らしい。 そう言えば、昨年大々的な宣伝を打って、「点と線」を放送していたっけ。 あれが、正しい開局50周年スペシャルだったのか。
本作ドラマ放送前に、作者の天野節子さんがTVに出ていたのを見た。 スーパーモーニングと、徹子の部屋。 徹子の部屋なんて普段全く見ないのに、ついつい見てしまった事だよ。 ずっと独り身で通して来て、もう還暦だし記念にと思って本作を自費出版で出したら、出版者が倒産! ああもしかしたらこの倒産ニュース、私もTVで見たかも知れない。 しかも主人と一緒に 「だから自費出版なんて、やめときゃいいのに」 「誰もじいさんばあさんの『思い出の記』なんて、読まないだろ。普通の素人の文章なんて読めたものか」 と散々笑っていたあのニュースだ。 でもそんな中から、「これは名作だ。世に出さないのは惜しい」と編集者をして言わしめる作品が、いきなりドラマ化されて華々しく出て来るとは、これまた何ともドラマのようなお話である。 本筋とは関係ないがこの作者のお部屋、独り暮らしだからこぢんまりとはしているが、とても綺麗に整理整頓されていて、私は大層感心した。 いやあ、偉いわ。私も見習わないと(汗)。
さて、土日の夜に放送された前後編、全部を観た。 主人公はピアニスト。 ドラマは演奏会の場面から始まる。 舞台中央にピアノが置かれ、ドレスを着た米倉涼子がピアノを弾く振りをするのだが、何故かバックに流れるのは
ラフマンPコン2番。
のっけから激しくがっかりです。
オケどこだよ?(怒)
カラオケなの? どうしてソロ形式のピアノ・コンサートで協奏曲が出来るのか、激しく疑問。 おまけに米倉と来たら、どっからどう見てもピアノを弾いているように見えない。 あれじゃピアノを弾く振りをしている演技だろ。 女優と名乗るからには、ちゃんと演技しろよ米倉。 少しは若い子を見習えよ、「のだめカンタービレ」のメンバーは、もっときちんとやっていたぞ。 フジテレビに比べて、テレビ朝日のドラマの作りのお粗末な事ったら。 幾らスペシャル・ドラマと銘打って、豪華キャストを揃えたところで、肝心の演出がこれじゃあ……。
主人公の心の動きには共感出来なかったし、米倉の演技も駄目臭かったが、トリックはなかなか面白かった。 亭主が浮気したら、女はどういう行動に出るのだろう。 以前そんな質問をされて、私だったら愛情がなければ慰謝料ふんだくって別れ、愛していたら庖丁を持って追いかけるかな〜と答えた覚えがある。 この主人公みたいな事は、直情型の私には無理だろうな。
電話の主は、変声機を使っても、喋り方でバレバレだった。 あの甘ったるい喋り方は、えーとえーと、 「名前何だっけ? 保坂尚樹と出来ちゃった結婚して、子供も2人こさえたのに離婚して、既婚者の布袋寅泰と噂になった人」 と私が訊くと、主人は主人で 「あー、あの胸の大きい人ね」 ……そこかいっ。
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