何と言うか、実についていない日だった。
買い物に行けば欲しい物は売っていない、 車はぶつける、 気分転換にと思ったゲームではあり得ない失敗をし、 晩飯の肉は中が生。
いい事と嫌な事を比べたら、圧倒的に後者が多かった。 不幸中の幸いは、車をぶつけた相手が人間ではなかった事か。 やっちまったーと、すぐに主人にメールした。 みっともないから修理に出すべきかと私は思ったのだが、帰宅して車を見た主人は、 「これぐらいなら、別にいいんじゃない? 他にも傷(駐車場で当て逃げされた)や凹み(新車の頃主人がやった)があるし、気にならないよ」 との事。 世の中には、車を奥さん以上に大事にしている人もいるのだろうが、うちの主人は全く無頓着なのだ。車は、仕事の荷物を積めて、燃費が良ければそれでいいと思っているらしい。 「まあでもシオンが気になるなら、色でも塗っとけば?」 色と言われても、私には絵の具ぐらいしか思いつかなかった。 でも水彩だと雨で落ちるよね。油彩?
今日は散々だったからお祓いしてーと言って主人に抱き付くと、 「お祓いは、基本的に無理。出来ません。そういう時はね、人に親切にしなさい。人にやった事は、全部自分に返って来る。僕も悪い事が重なる時はあるけれど、自分が人に何か嫌な事をしたから、こうやって帰って来たんだなって思うよ」 と、有難い説教を頂いた。 「嫌な事……んー、でも私、貴方としか接していないよ。基本的にずっとお家にいるもん」 私がそう答えると、主人はそうかいと言って肩を落とした。
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