天上天下唯我独尊

2007年06月15日(金) 仲居さん

着物を着て出かけた帰り、スーパーに寄った時の出来事。

買い物を済ませて駐車場に戻ると、
「すみませーん」
と、声をかけられた。
振り向くと、見知らぬ男性が車の助手席の窓から顔を出していた。
ワゴンタイプというのだろうか、箱型の大きな車の中には、背広姿のおじさん達が数人乗っている。
「この近くに、料亭はありますか?」
と訊かれた。
料亭……行った事無いから知らないんだけれど(汗)。
大きい車に大勢で乗っているって言う事は、お仕事なのかしら。
この土地の人じゃないのかも知れない。
そうすると、一応ここの住民として、知っている情報は与えないといけないと言う気持ちになった。
「ええと、この辺じゃなくて、駅の辺りか、橋を渡った街中にならあると思いますが」
知らないので、どんなに頑張ってもこれ以上の事は言えなかった。
主人なら職場で行くから知っていそうだけれど、私は料亭なんて縁が無いんだもん。
相手は一寸がっかりしたようだったが、
「じゃあ、そっちの方に行ってみます。有難うございました」
と走り去った。

何で私に訊いて来たんだろうと不思議だったが、主人にその話をすると、彼はこう断言した。
「あははは、それは料亭の人と間違われたんだよ。だってシオン、着物着てたんでしょ」
そ、そうだったのか!
確かに私が着ていたのは、料亭勤務と思われかねないような、地味な色合いの紬だった。
しかも殆ど無地。
習い事の先生(推定70歳前後)をして、
「随分地味な着物ねえ。そんなの私だって着ないわよ〜」
と言わしめたほどである。
好きなんだけどなあ、この紬の着物。汚しても目立たなさそうな色だし(オイ)。
着る時は、帯を選ぼうと思った出来事であった。


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