私の携帯電話を買い換えた後に、主人のも新しいのに変えた。 私のは型落ち品だったが、主人が「これがイイ」と指定したのは、比較的新しい奴。 当然お値段も結構した。 本人は仕事で忙しく、買いに行く暇が無かったので、私が代理で買って来たのだが、値段を報告すると、 「そんなに高い機種だったのか……ごめん」 と何故か謝っていた。 幾ら私でも携帯電話ごときで怒りませんって。
夕食時、ピロピロピ〜♪と主人の携帯電話が鳴った。 いつもの着信音と違う。 誰から!?と色めき立った私だが、 「あ、誰某からメールだ」 と主人。 「メール? うちはiモード契約してないのに、どうしてメールが届くの?」 「知らないよう。送信出来なくても、受信だけ出来るとかじゃないの?」 そんなアホな。 まさか携帯電話会社に勝手に契約内容を変更されたんじゃ?と、私の頭の中に、陰謀説が浮かぶ。 一方主人は、 「あ、返信出来た。シオンのにも送れるかな?」 と携帯をいじっていた。 間も無く、ピロピロピ〜♪と私の携帯が鳴った。 どれどれ、と開いてみると、主人からメールが。 記念すべき初メールである。 私もすぐに返信した。 うむ、これは面白い。
電話会社の陰謀でも何でもなく、どうやらこれは、ショート・メールというもので、特に契約していなくても短い文章や絵文字を送る事が出来るシステムらしい。 しかし送れる絵文字とそうでないものがあるようだ。詳しくは解らないけれど、機種によるのか?
「さて、実験も終了したし、消すか」 と主人。 「消すって?」 「今のメール。必要無いし、取っとくと携帯に負担がかかるでしょ」 と言って、彼はさっさと削除してしまった。 私の記念すべき初メールを……。
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