天上天下唯我独尊

2007年03月25日(日) これでいいのか最高学府

愚妹の卒業式に、両親代理として列席した。
妹の着付けのために早起きして、和装用の化粧をしてやって、着付け会場(妹の着付けはプロに頼んだ。袴はレンタルだし)へ送り届け、妹のアパートに取って返す。
(前日に下見をしたとは言え、不慣れな土地なので迷いそうだったが、「太陽が左手にあるから、このまま直進でいい筈」「あの看板には見覚えがあるから、ここで右折か」と、野生の勘&記憶力を働かせて何とか帰宅)
休む間も無く、今度は自分の着付け。
天気も良いので、洋服ではなく、家から持って来た江戸小紋を着る。訪問着にしようか迷ったが、どうせ私は主役じゃないんだし、これでいいや。

式典会場近くの待ち合わせ場所に行くと、着飾った卒業生達がそれぞれに写真撮影をしていた。
妹はすぐに見付かったが、髪がボサボサである。
いや勿論、着付け会場で美容師さんにちゃんとやって貰ったのだが、毛先がパサパサなのだ。
本人は、卒業式まで髪を伸ばして、終わったら切ろうと思っていたらしいが、毛先ぐらいは揃えておけよ。
何故そこまで考えが至らぬのだ、この子は。

卒業式は、学長の話が案外良かった。
そこを突っ込んでもう一言あれば、こちらの話に繋がるのに惜しいなあとは思ったが。私が事前に添削したかったよ。
酷かったのは、卒業生たちの態度。
専攻毎に立ち上がり、名前を呼ばれた代表者が壇上へ上がるのだが、それ以外の卒業生は、携帯やデジカメで写真を撮っているのだ。
つまり、自分は会場で立っているのに、代表者が卒業証書を受け取る様子を写真撮影しているのだ。
式典とか、公的な場という意識が全く無いのだろうか。
二十歳を少しこえた程度では、そんなものなのか?
自分の場合、どうだったろう。
写真機能付き携帯やデジカメは無かったが、そんな事をしたら、確実にうちの親は子供を叱るよなあ。
そう思っていたら、隣でジーコジーコと螺子を巻くような音がする。
見ると、隣席のオバサンが、使い捨てカメラで壇上を撮影していたのだ。
総代である娘を撮影するのに、使い捨てカメラかよ!(笑)
そりゃ名誉な事だから、写真に収めたいという気持ちは解るが、スマートじゃないよな。
こういう親では、子供が卒業式で壇上を撮っても、それを叱る事は出来ないだろう。何故なら、その資格が無いから。
子供の行事の度に傍若無人にビデオカメラを回すような親に育てられた子供は、こんな風になるのだなあと思った卒業式であった。

そして、思わぬ再会があった。
会場の入り口で、「先生!」と声をかけられたのだ。
私が結婚前に、一寸だけ勉強を見ていた子だった。
そうか、妹と同じ大学に入ったと聞いていたが、ストレートなら今年で卒業だものね。
もう社会人か〜感慨深いなあ。
何年も会っていないのに、私だとわかって声をかけてくれた事が嬉しかった。
彼女に会えただけでも、卒業式に来て良かったと思った。


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