夕方の報道番組の1コーナーで、妻が夫に暴力を振るうという、逆DV夫婦を取り上げていた。 その推定年齢30歳台の夫婦は、気の弱そうなご主人と太り気味の奥さんという組み合わせである。 一見普通の夫婦なのに、どこがどう問題なのだろう。
夕食後に2人でTVを見ていると、ご主人がうとうとし始める。 すると、奥さんは怒るのだ。 「折角の2人だけの時間なのに、どうして寝るの!?」 ええっ、そりゃ仕事して帰って来て、その上家事まで全部させられるんじゃ、疲れて眠くもなるでしょ。 それにお腹が膨れてるんだし、そんなの当たり前だと思うんだが。 奥さんは怒り続ける。しかもねちねちと。 そしてご主人の足を蹴る! 私も仕事で疲れた主人に食事の支度から後片付けをさせる事もあるし、大概鬼嫁だと思うが、この女に比べたら天使だよ。 感謝の心も無いなんて、あり得ないよ、この思考回路。 ところがご主人は、その間ずっと、黙って俯いているのだ。 昔「おしん」であったなあ。 「下を向いていれば、嵐は頭の上を通り過ぎて行くものだ」 というような台詞が。 しかし彼には非が無い筈なのに、何故言われるまま? こっちもこっちであり得ないよ……。
その後、専門家が言っていた。 「暴力を受ける方も、止めて欲しいという意思表示をしないと、どんどん暴力はエスカレートする」 と。全くその通りだと思う。 しかしこれは、暴力亭主を持つ妻でも同じ事だ。 妻が被害者の場合、大抵夫だけが悪いと言われる事が多いが、それを助長する妻も悪い。 ガンジーだったか、「無抵抗の抵抗」という人がいたが、そんなのは加害者にとっては屁でもない。 大抵こういう暴力は、被害者の死で終わりになる。 生きて離婚した堀ちえみもいるが、彼女も暴力亭主に逆らわず、びくびく怯えて暮らしていたという。 ところがその態度が、暴力亭主の中の加虐嗜好に火を着けるんだよな。 そして加害者にも良心はあるので、暴力を振るってすっきりした後我に返り、埋め合わせのためにすんごく優しくなるのだ。 しかし時が経つとまた同じ事の繰り返し。 下手すると、どんどんエスカレートして行く。 因みに私は加虐嗜好の気があるので、暴力亭主の気持ちは少しはわかる。勿論私は配偶者に暴力は振るわないが。 (私が振るう暴力は、睡眠中の肘打ちだったり、抱き着こうとして加減がわからず腕で首を締めてしまったりだったりする。いずれにせよ暴力の意思は無いので、無罪という事で……)
帰宅した主人にこの話をすると、やはりあり得ないと言っていた。 そして、そんな女を妻にした夫も馬鹿だと。 まあ結局、割れ鍋に綴じ蓋なのか。
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