天上天下唯我独尊

2007年02月05日(月) 理想の携帯電話

主人の携帯電話が、とうとうぶっ壊れた。
通話不能である。
まあ、本体0円だったしな……仕方ないか。
私の携帯も写真機能が立ち上がらない上、データも飛んだし、どちらも買い替え時か。
本当は土日に一緒に買いに行きたかったのだが、携帯嫌いの主人が渋ったのだ。
これを機に、もう携帯から自由の身になりたいと言う。
しかしそれでは、彼の友人知人仕事仲間が困るだろう。
私は一日中家にいる身なので、本当は携帯など必要無いのだ。
しかし写真機として欲しい。それに、出掛けた時などあると便利なので持っている。
まあ一応持っとけば?と言い聞かせ、主人も渋々買い替えに同意した。
「でも、薄くて軽くて、折り畳みじゃないのがいい」
ポケットに物が入っている状態が、邪魔で気になって嫌なのだそうだ。
以前喫煙者だった頃も、煙草は胸ポケットには入れず、鞄に入れて持ち歩いていたという。
彼がポケットに入れるのは、ハンカチだけ。何かが触れている、締め付けられているのが嫌いなのだ。
じゃあ裸でいれば……と私が言うと、それじゃ寒いし捕まるだろと大真面目に言うのだ。
ハァもう好きにしなよ。
「じゃあ、薄くて軽くて、折り畳みじゃないのがいいのね」
「うん。それで、機能もあれこれ付いていないのがいい」
ネットで探すと、良さそうなのがあった。
これだ。これしか無いでしょ!」
とサイトを開いて見せた。
薄くて軽くて折り畳みじゃなくてシンプル機能。
リクエスト通り、主人の理想の携帯電話である。
「う……でもこれって、所謂ジジババ携帯では」
「そうよ。まさにジジイ携帯。でも貴方のご希望通りの携帯ですよ。文字盤も大きくて見易いし、きっと使い易いわよ〜」
理想形に喜ぶかと思いきや、彼は首を振った。
「これはもう少し、年を取ってからでいいよ。流石に悲し過ぎる」
自分でも探してみるから、早まって買って来ないでね、と釘を刺されてしまった。


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