火曜日の夜は、難病番組を見た。
背が伸びない病気の男の子は、首が弱いためにコルセットを着け、他の子の様に思い切り遊ぶ事も出来ない。 水飲み場には彼用の踏み台があり、蛇口を捻る力も無いので、蛇口には特殊な取っ手が付いている。 給食の時間にも、自分で牛乳瓶の蓋を開ける事が出来ない。 そこで級友に頼めばいいのだが、素直にそれを言い出せず、牛乳瓶相手に格闘する子供。 それに気付いた女の子が、蓋を取ってやるのだが、彼はありがとうとも言わずに、モゴモゴしている……。 まだ小学校低学年だから仕方がないし、身長がすんごいコンプレックスになっているのも解る。 だが、そのままじゃお前、ただのキモイ構ってちゃんになっちまうぞ! 知能は普通なんだから、せめて他人とのコミュニケーションぐらいちゃんと取れるようにならないと。 頑張れ、少年。
身体の筋肉が骨化してしまう病気があるという事を、私は今まで知らなかった。 レントゲン写真を見たが、あり得ない場所に、本当に骨が出来ているのだ。驚き。 そして患者の身体は、徐々に自由を奪われて行く。 足が曲がらなくなり、腕が上がらなくなる。 症状の進んだ女性は、身体が硬直しているため、椅子に座る事も出来ない。 ずうっと立ったままで過ごし、それに疲れると、母親の介助で横になる。 身体に全く、柔軟性が無いのだ。 それでも、患者の会代表だというその女性は、笑顔で取材を受けていた。 偉いよ……。 そこへ、同じ病気の中学生少女が母親に伴われ、彼女の許を訪れるのだが、自分の病気を知らされていなかった少女は、彼女を見てショックを受ける。 そりゃそうだ、それは自分の未来の姿なのだから。 帰宅して数日後、少女は現実を受け入れ、自分の病気を難病指定して貰うための活動をする母親を手伝い始める。 感動の話なのだが、予め告知をしなかったのは、母親のミスだと思った。 自分の口から言えないからと、患者の会代表の女性に押し付けたようなものだからな。これでは女性に対しても失礼だ。 いきなり現実を突きつけられた少女のショックたるや、相当なものだったろうし。 告知の方法やタイミングは難しいものだが、当事者が自分の手は汚したくないからと他人に丸投げするのはよくないという見本のような話だった。 まあ、この親子なら、これからもうまくやって行けるだろう。
治る病気ならいいが、打つ手無しというのはきついよな……。 (病気と障害って、どう区別するのだろう。治るものが病気、治らないのが障害?) 老人ならまだ諦めもつくが、子供の病気は可哀相で仕方無い。 子供の面倒を看続けなければならない親も大変だ。 逆縁の不孝と言うが、あれでは遺された子供が心配で、安心して死ぬに死ねないだろう。 こういう不幸は本人達の責任ではないのだから、税金を投入しても構わないと、けちな私でも思った。
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