一難去って、また一難。 主人の親が、また栗を持って来てくれた。 この間貰った栗で栗御飯を作ったなどと、余計な事を言ってしまったのが失敗だったか。 まあそれでも、事前に予告電話をくれるようになったのは有り難い。
栗の皮剥きは、結構な労働である。 しかし、面倒だから明日やろうなどと思っていると、私の場合、その明日はなかなかやって来ない。 そして虫が湧く……。 私は重い腰を上げ、お湯を沸かした。 どうせなら大好きな渋皮煮にしたかったが、小粒な上に保存食として乾かした栗だったので、仕上がりがふっくらしないかも知れない。 量もあったので、栗御飯のほかに、主人のリクエストもあって、甘露煮を作る事にした。 夕方から、夕食を挟んで剥き続け、終わったのは夜中の1時だった。 この間よりはましか……。
翌日は朝から栗御飯。 残りの栗で、インターネットで作り方を探して、甘露煮に初挑戦。 初心者にしてはなかなか上手く出来た。 「凄いなシオン、どんどん進化するねえ。結婚当初と比べると、猿から人間の幼稚園児ぐらいになってるよ」 と主人は褒めてくれたが、もう当分、栗は見なくていいですよ……。 ずっと庖丁を握っていたから指は痛いし、爪は黒くなるし、手首の辺りが筋肉痛だし。 でもこんなに辛いのに、喜んでくれる人がいるとまた作ろうかなと思ってしまうのは何故だろう。
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